せっかく購入したお米に虫が!お米の保存は防虫対策が必須!

せっかく購入したお米に虫が!お米の保存は防虫対策が必須!

家族が多い場合やお米のセール日などは、5~10kgの大きめサイズを購入することもあるのではないでしょうか。まとめて購入しておけば、重いお米を何度も持ち運ぶ必要がありません。ただ、正しい保存方法をしていなかったことが原因でお米に虫がわき、困ったという体験をする人も多いようです。そこで、本記事ではお米の防虫対策について詳しく解説します。

お米に虫がわく3つの原因

虫がわいたお米のおいしさは落ちてしまいますが、虫をすべて除去すれば食べることができます。ただ、せっかく購入したお米に虫がわくのは気持ち的に良いものではないと感じる人は多いのではないでしょうか。お米に虫がわく原因を知って、あらかじめ害虫対策しておきましょう。

収穫前後の稲穂に卵が産みつけられていた

お米にわく虫の卵は、米粒の中に産みつけられています。そのため、一見しただけでは気づかないことが多いですが、卵を産みつけられた米粒は割れやすいので、精米時に廃棄物としてそのまま除去されるケースも少なくありません。しかし、卵を産みつけられた米粒を発見するシステムはまだ精米機に搭載されていないので、すべてを取り除くことができないのが現状です。除去できないまま保存していると、20度以上の気温であれば約1カ月程度で孵化します。わいた虫は米粒を食べながら成長し、成虫になると再び米粒に産卵という繰り返しです。こうなってしまうと、気づいたときには保存してあったお米のほとんどが食べられない状態になる可能性もあります。

米袋を破って侵入

米袋には保存のために小さな通気穴が作られていることが多いです。そのため、お米のニオイに敏感な害虫が穴から侵入して被害に遭ってしまうこともあります。米袋も進化しており、害虫の侵入を防ぐために限界まで穴を小さくしたり、逆止弁をつけたりと工夫がされるようになりました。

米袋を食い破って侵入

害虫のなかには「入口がなければ作れば良い」とばかりに米袋を食い破って侵入するものもいます。1カ所でも穴が開いてしまえば、ほかの害虫も簡単に侵入できてしまうので、早期発見できなければ被害が大きくなりがちです。つまり、米袋のまま保存をしておくことは非常にリスクが高いといえるでしょう。

お米を食べてしまう害虫は主に2種類

お米に卵を産みつける害虫は、主に2種類います。どちらも1回の産卵で数百個の卵を産みつけるので、米袋の中に発生すると大変です。こちらでは、お米にわく害虫について詳しく紹介します。

濃い茶色が目印のコクゾウムシ

コクゾウムシは体長3mm前後で、濃い茶色から黒色の体色をしています。ゾウの鼻のように長く伸びている口先で米粒に穴を開け、卵を産みつけるのが特徴です。ちなみに、1回で産卵するのは約400個前後といわれており、米粒1個につき1つの卵を産みつけます。つまり、コクゾウムシが米袋内に侵入している場合は、ほとんどが卵入り米粒と考えても良いでしょう。コクゾウムシにとって快適な環境は気温が20~30度、湿度が70%程度という状態です。適度に暖かで、湿度が多いキッチンなどはコクゾウムシにとって最適の産卵場所といえます。

白い糸を吐くノシメマダラメイガ

ノシメマダラメイガは体長1cm前後の小さな蛾で、ぬか部分や胚芽部分などお米の表面に産卵します。コクゾウムシは成虫になって米粒から出てきますが、ノシメマダラメイガは孵化するとイモ虫になり、さらに成長してサナギ、成虫へと変化するのが特徴です。孵化から成虫になるまでの期間は数週間~1カ月半といわれています。イモ虫になると体はクリーム色、頭は赤色という目立つ色になるので発見しやすいかもしれません。

サナギになる際、白い糸を吐いて米同士をくっつけるので、この段階で発見した場合は害虫を除去してもお米は食べられなくなっている可能性があります。米粒に産卵されていない場合でも、保管場所の近くに卵があった場合は孵化したイモ虫が米袋を食い破って侵入するので油断できません。成虫の寿命は1週間程度と短いですが、1回の産卵で200個前後の卵を産みつけることから、一気に増えてしまいます。

もしお米に虫がわいているのを発見したときは?

米袋を開けたときに虫がうようよしているのを見てしまったら、思わず捨てたくなる人もいるかもしれません。ただ、お米は10kg程度であれば数千円と決して安い金額の食べ物ではありませんし、虫を除去すれば食べることができるものです。大切な食べ物なので、サッと虫を片付けて保管方法を見直しましょう。

お米にわく害虫には毒性はない

食べ物であるお米にわく虫には毒性がないので、除去さえしてしまえば食べることも可能です。また、万が一、虫をすべて取り除くことができず、食べてしまった場合でも人体に悪影響が出ることはありません。ただ、甲殻類やダニ、ガなどのアレルギーがある人は症状がでることもあるので食べないほうが無難でしょう。

大量にわいている場合は水やザルで取り除く

害虫の発生に気づいていなかった場合、米袋の中に大量の虫がいる可能性があります。そういったときは、お米をたっぷりとした水に入れ、害虫のみを洗い流すのが有効です。また、お米をとぐ際にザルを使用してお米と害虫を分離させることもできます。水洗いをしたお米は乾燥させるために陰干しをしましょう。陰干しにするのは、直射日光はお米を劣化させる原因になるからです。

大きな害虫は割りばしやピンセットで直接つまんで取り出す

小さな虫は捕まえるのも大変ですが、大きめの成虫やイモ虫であれば割りばしやピンセットでつまみ出すことも可能です。大量にいる場合はある程度取り除いてから水やザルで除去する方法が効率的でしょう。

虫を除去後のお米は味付けをして食べるのがおすすめ

害虫被害を受けたお米は鮮度や味が落ちてしまうため、そのまま炊いて食べてもおいしいとはいえません。たとえば、食感がパサパサになっているのが感じにくくなるように炒飯にしたり、炊き込みごはんにしたりと調理したうえで食べるとお米の劣化も気になりにくいです。

自宅でできる簡単虫除け対策

お米をおいしいままの状態で食べるためには、日常から虫除け対策をしておかなければなりません。こちらでは、効果的で自宅で簡単にできる対策を紹介します。

冷蔵庫で保管する

10kgなど大きなサイズのものの場合は難しいかもしれませんが、可能であれば複数の袋に分けるなどして冷蔵庫で保管するのがおすすめです。冷蔵庫は食品を冷やすために冷気を逃がさない仕組みになっており、害虫の侵入もしにくいというメリットがあります。また、気温15度以下、湿度20%以下の環境ではお米にわく害虫は生存することができず、繁殖もできません。低温での保管はお米の劣化を防ぐことにも有効です。

密閉度が高い容器に入れる

購入した時点で米粒に産卵されている可能性がないとはいえませんが、それ以上増やさないためにも密閉度が高い容器に入れるのは有効な方法です。たとえば、ペットボトルやチャック付き食品保存袋、タッパーなどがあります。しかも、空気に触れにくくなるので、お米の劣化も防止できるのが良い点です。できれば、購入した当日中に移し替えておきましょう。

桐でできた米びつを利用する

桐は、着物などを保管するタンスにも使用されているほど防虫効果が高いといわれているものです。さらに、湿度を一定に保つのでカビの発生を予防することも期待できます。プラスチック製の米びつの場合、新しい場合にはニオイがついてしまうこともありますが、桐の米びつであればそういった心配もありません。

米びつの中に唐辛子を入れる

こまめに入れ替えをする必要はありますが、昔ながらの方法として唐辛子を米びつに入れるのも効果的です。唐辛子の辛み成分には、虫除け効果があるといわれています。生の唐辛子には水分があり、カビが発生しやすいのでおすすめしません。乾燥した唐辛子はそういった心配がありませんが、虫除け効果は長期間もたないので定期的に交換する必要があります。唐辛子パウダーを詰め込んだお米の虫除けアイテムも市販であるので、そういったものを使用するのも良いでしょう。

精米後にすぐ密封!安心して食べられる新鮮米

お米を購入後に自分でできる害虫対策もありますが、購入時点で害虫の心配がない状態であれば手間もかからず、安心して保管できます。購入してすぐに開けて食べるのであれば別ですが、お米をまとめて購入して保管しておきたい場合にはあらかじめ害虫が入らない状態にされているものを選ぶのもひとつの方法です。たとえば、精米がされたきれいな状態ですぐに真空状態にパックしたものは害虫が侵入する心配もありません。

真空パックは完全密封で鮮度を保つ

一般的に、精米後のお米は約1カ月、冬場でも約2カ月以内に食べきるのが理想だとされています。お米は高温多湿に弱い食べ物であり、春から秋にかけては気温や湿度が高いので早めに食べなければ鮮度がもちません。冬場は気温が低いですが、保管場所によっては湿度が高いのでやはり2カ月程度の保存が限界です。一方、真空パックは中に空気がない状態なので害虫の発生もなく、開封していなければ1年間精米したてに近い状態で保存できます。真空すると中のお米は固まったように見えますが、開封して空気に触れると普通のお米のようにパラパラとした状態に戻るので安心です。より温度や湿度管理しやすい冷蔵庫内では、約2年間保存することも可能になります。

真空パックも保存環境は重要

真空パックのお米は酸化と吸湿を防止する効果が大きいですが、だからといって保存環境を問わないというわけではありません。一般的な米袋に入っているものより新鮮な状態を長く保つことは可能ですが、30度前後の高温になる場所で保存するのは真空パックであろうと悪影響を受けてしまいます。風通しが良く、20度前後の常温下で保存するのが望ましいです。ちなみに、古米の場合は独特のニオイが気になる人も多いですが、真空パックで保存したお米は1~2年間経過していても気になるようなニオイもありません。

万が一に備えて備蓄用に買い溜めしておくのもあり

真空パックのお米は長期間保存できることから、万が一のときのために備蓄米として購入する人が増えています。お米は気候の影響を受けやすく、収穫量が極端に減ってしまう場合もないとはいえないのが現状です。収穫量が少なければお米の購入は競争状態になりかねず、手に入らないことも考えられます。そういったことがないように、あらかじめ新鮮なお米を長期間保存できる状態で購入しておくのは賢い生活術のひとつといえるでしょう。

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