おいしいお米を食べたいなら精米時期をチェック!

おいしいお米を食べたいなら精米時期をチェック!

日本人にとっては馴染み深いお米。なかには「ごはんを食べることができないと想像すると辛い」という人もいるようです。そういった人にこそ知ってほしいおいしいお米の見つけ方のひとつが「精米」です。本記事では、お米好きさんにこそ知ってほしい精米のアレコレについて解説します。

お米ができるまでは約7カ月

近くに水田がある場合は田植えや稲刈りの様子を見かけることもあるかもしれません。お米は種選びから収穫、精米をして出荷されるまで約7カ月間かかります。

良質なお米を作るにはまず種選び

お米の種は「種もみ」と呼ばれています。簡単にいえば、種もみは前回の収穫時に保存しておいたもみ(殻が付いたままのお米)のことです。種は丈夫に育つものを見分けなければならないので、塩水に入れ、沈んでいる種もみだけを使用します。これは、丈夫に育つ種もみは中身が詰まっているので重いといわれているからです。その後、選別された種もみを水でよく洗ってから小袋に分けて入れ、消毒をします。このときの消毒は農家によってやり方がさまざまあり、薬剤を使用したり、60度ほどのお湯につけたりといった方法です。その後、水槽に種を袋ごと入れて2週間かけて吸水させます。この期間は温度管理をしているため、種もみが発芽します。

育苗箱で苗を育てる

4月になると発芽した種もみは専用の育苗箱に撒かれて、ビニール製のハウスやトンネルなどで苗になるまで育てられます。その間に田の土づくりです。一般的には、トラクターを使用して土を掘り起こし、柔らかい状態にしますが、この際、場合によってはより良い土になるように肥料を撒きます。5月頃には苗も植えられるほど育っているので、田に水を入れて土の最終仕上げです。土が水をふくんでとろりとした状態になるまでロータリーという専用機械でかき混ぜ、田植えに備えて土の表面をならします。土の準備が整ったら専用機で田植えを行い、機械で植えられないような細かな部分は人間が手作業で植えて完了です。

6~8月までは稲の育成期間

稲の成長具合をチェックしながら水の管理、肥料投与、稲と稲の間に溝を掘る作溝、7月頃には稲の根を空気に触れさせたり、土に酸素を補給したりする中干しなどの作業を行います。また、気温が上昇する真夏は害虫がいつにも増して活動的になり、もち病という稲の病気が発生しやすくなるので注意しなければなりません。そのため、地域の基準に沿って、無人ヘリコプターが薬剤散布を行う場合もあります。

9月前後には実った稲を収穫する

品種によって稲刈りの時期は8~10月頃と異なりますが、一般的には9月前後に行われることが多いです。稲刈りにはコンバインという機械を使用しますが、この機械1つで稲刈りともみだけを収集する脱穀をすることが可能です。収穫したもみは含有水分が15%前後になるまでゆっくりと乾燥機にかけ、もみすり機を使って玄米にします。もみは大量にあるので一気に乾燥できれば良いのですが、そうするとお米にひずみが出る胴割れが起こりやすいです。そのため、時間をかけて乾燥をする必要があります。出荷する場合はその後、ライスグレーダーという選別機でくず米、出荷用のお米に分別しなければなりません。この際、出荷用のお米には良質なもの順にランク付けされます。

お米の等級とは

お米は出荷される前に粒の状態を見て、等級分けされています。等級分けの基準は含有水分や出荷できないお米の量、異種穀粒・異物混入などの合計です。最も良い状態のものを1等級とし、2等級、3等級、規格外という等級を割り当てられます。一般的に、市販されているお米のパッケージにはこういった等級は記載されていません。表示記載しているものもあるかもしれませんが、もともとお米の等級をパッケージに表示するというルールがないため、等級はどちらかといえば卸売流通業者が評価をする基準になるものです。

精米次第で栄養価や食べやすさが変わる

一般的に、スーパーなどで購入できるお米はすでに精米済みのもので、お米を洗って炊飯器で炊けばすぐに食べることができます。しかし、収穫したてのお米は殻がついているもみの状態なので、自分好みで精米することが可能です。

精米機は身近な場所に設置されている

農家であれば自宅に精米機も準備されていることが多いですが、一般家庭で精米機まで購入しているお家はめったに見かけません。ただ、収穫したてのお米を直接農家などから購入できる場所もあるため、精米機を利用する人も増えています。精米機は、各地域に有料で誰でも使用可能なものが設置されているので便利です。精米具合も好みに合わせて決めることができます。使い方もシンプルで誰でも簡単に精米できるので、機会があれば挑戦してみるのもおすすめです。

そもそも精米とは?

稲刈りをして何も加工されていない状態を「もみ」といいます。お米は殻がついているので、そのままで食べることはできません。そこで、まずは「もみすり」という殻を除去する作業を行います。もみすりを終えた状態が健康食としても人気の「玄米」です。玄米は粒の周囲をぬかが覆っているので、より食べやすくするためにぬかを除去するのですが、これが「精米」という作業になります。

精米はどのレベルまで行うべきなのか

精米といっても1種類ではなく、どのレベルまでぬかを除去するのかによって見た目や含まれている栄養量も変わります。精米前のお米の殻だけを除去したものが玄米で、これを基準としてどの程度精米するのかを好みで決めなければなりません。栄養価に関しては、精米をしていない玄米が最も高いです。ただ、ぬかが付着している状態は独特のにおいがあるので人によっては食べにくく、精米でぬかを除去する部分が増えるほど食べやすくなります。ほんの少しだけぬかを除去したものを1ぶつきといい、除去量が増やしたものが3ぶつき、5ぶつき、8ぶつきです。

8ぶつきまでの間で精米されたお米は「ぶつき米」と呼ばれています。ぶつき米は健康米として注目されている玄米の栄養素を残しつつ、食べやすさも追求した精米方法です。8ぶつきは見た目も白く、ほとんど白米の状態ですが、玄米の栄養豊富さが残っており、おすすめの精米状態になります。8ぶつき以降は標準、さらに精米したものが上白といってぬか部分がほぼなくなっているものです。

精米度合いによる栄養成分の変化

科学技術庁の調査によると、精米度合いによって栄養価は変化しています。たとえば、生活習慣病予防に効果的なビタミンB1は玄米が1.02mgありますが、白米(完全にぬかを除去したお米)はわずか0.23mgです。特に大きく減少するのが食物繊維で、玄米が26.3gなのに対し、白米は3.0gにまで減っています。ごはんでもバランスよく栄養を摂取したい場合は、精米度合いもその点を考慮して選ぶのが良いでしょう。

栄養価の高さと食べやすさどちらも重視するのなら胚芽精米もあり

精米方法のひとつとして「胚芽精米」も注目されています。こちらはぬか部分の中で最も栄養がある胚芽のみを残し、ほかのぬかは除去したお米です。基準は胚芽80%以上、残りの部分は白米の状態にすることで、精米するためには専用の特殊な精米機を使用しなければなりません。胚芽米は白米と混ぜて炊くこともできますし、胚芽米のみで炊いてもおいしく出来上がります。また、玄米より消化吸収が良く、子どもや高齢者も安心して食べやすいお米です。ちなみに、胚芽米の栄養はビタミンB1、E、亜鉛が比較的玄米に近く、食物繊維が白米と僅差になっています。

お米をおいしく食べるなら精米後1カ月前後までのものを

お米を購入するときにパッケージの表示記載を確認する人もいるのではないでしょうか。しかし、そのときにほとんどの人はいつのお米なのかを確認するのみで、新米と記載されていれば新鮮でおいしいと考えてしまいがちです。新米と表示されているものはその年の秋に収穫し、同年12月31日までに精米をして包装されたものを指します。地域にもよりますが、新米を店頭で手に入れることができるのは大体1月中になるため、精米から2、3カ月ほどすでに経過しているものもあるでしょう。

お米には賞味期限がない

お米は生鮮食品であり、食品表示法で賞味期限や消費期限の表示をする義務はないとされています。そのため、お米のパッケージに賞味期限などが記載されているものはそれほど多くありません。ただ、精米した年月日は記載されているので、そちらを確認すればいつ頃に精米されたお米なのか、新しいのか古いのかということがわかります。「古米」という言葉がありますが、こちらは収穫から1年経過しているお米です。低価格で手に入れることができますが、味は新米と比べてかなり落ちてしまっているので調理法に工夫が必要になるでしょう。

精米後の期間が短いものほど美味しい

お米は1年経過したものでも食べることは可能ですが、おいしさという点に注目をするとやはり精米直後のお米に勝るものはありません。おいしく食べることができる基準としては、春や夏頃であれば精米後2週間~1カ月、秋や冬は精米から1~2カ月までの選ぶのがおすすめです。春や夏は気温が上昇し、湿度も上がる時期なので、お米も劣化しやすくなります。精米後のお米の劣化は空気に触れた瞬間からはじまるので、「玄米のままで保存すれば良いのでは」と考える人もいるかもしれません。実際、精米後のお米と比較すると玄米は酸化しにくく、冷蔵保存でも6カ月前後はおいしさを保つことが期待できます。玄米が苦手な場合は、食べる度に精米をすれば新鮮な状態のお米を食べることは可能です。

ただ、毎回手間がかかってしまうので、たとえば、精米後すぐに真空パックにして保存されているものは開封しない限り空気に触れないため、新鮮な状態で保つことができるでしょう。小袋で販売されているものもあるので、開封後も酸化が進む前に食べきることができます。ただし、真空パック保存であっても保存場所が湿度が高い場所だったり、直射日光があたる場所だったりすると劣化しやすくなるので注意が必要です。

ブログに戻る

真空保存でいつでも精米仕立ての美味しさを

華シャリは、精米後すぐに真空保存し、新鮮なお米をお届けするサービスです。様々な品種の東北のお米を精米しすぐに真空保存する事で、いつでも精米仕立てのお米を食べる事ができます。