「黄色く変色した」「嫌な臭いがする」などお米のトラブルは保存の工夫で防げる!

「黄色く変色した」「嫌な臭いがする」などお米のトラブルは保存の工夫で防げる!

お米を研ごうと思って準備をしたときに「お米の色が変わっている」「お米から変な臭いがする」と感じた経験がある人は多いのではないでしょうか。この記事では、お米の臭いや変色が起きる理由、予防方法などを紹介していきます。

変色したお米に要注意!見た目別の原因と注意点

お米が変色する原因はさまざまです。ここでは見た目の色別に、その原因と注意点を紹介していきます。

黄色に変色

黄色に変色したお米は、アオカビが原因の「黄変米」です。アオカビは肝機能障害や腎臓障害を引き起こす毒素を生成します。この毒素は高熱に強く、炊飯しても殺菌できず残存してしまうので注意が必要です。終戦後、食糧難の時期に外国から輸入した米が黄色く変色しており、配給を行うか否かで多くの議論を呼んだ「黄変米事件」が起きました。この事件を通じ、黄変米の毒性は広く知られるようになったという背景があります。黄変米の原因はアオカビなので、カビ対策を行えば防ぐことができます。お米は古くなると黄色っぽくなる傾向がありますが、黄変米なのか、古くなったからなのかの判断が付かない場合は、食べるのを避けたほうが良いでしょう。特に一部だけが濃い黄色になっている場合やお米が塊になっている場合は、黄変米の可能性が高いため、食べてはいけません。

灰色に変色

灰色に変色した米はカビが生えている可能性があります。お米を研いだときに研ぎ汁が黒っぽく濁るなら、カビの可能性が高いといえるでしょう。お米が灰色に変色する理由には「酸化」もあります。長期間、空気に触れる状態で保存していると酸化が進み灰色がかった色へと変色していきます。カビが原因の場合は食べることができません。カビが生えやすい環境下で保存していなかったかどうかを確認し、自分で判断が付かない場合には食べないほうが無難です。

緑色や青色に変色

緑色や青色に変色したお米もカビが生えている可能性が高いです。ただし、緑がかった透明感のある玄米の場合は「青米」である可能性があります。完熟する直前に収穫された、葉緑素の残ったお米のことで、これが混ざっていることは最適な時期に収穫された証といわれることもあります。もちろん、青米であれば食べることに問題はありません。青米はお米の表面だけが緑がかった色をしており、精米すると普通の白いお米と変わらない見た目になります。よって、精白米の青米はありませんが、七分づき、五分づきなどの割合で精米すると緑色の部分がまだらに残り、判断に迷うことがあるかもしれません。青米の場合は透明感があり、割ってみると中身が白いことが特徴です。色がくすんでおり、カビ臭がする場合は、カビが生えていることを念頭に置いて対処しましょう。

黒い点

お米に黒い点や茶色い点が見られる原因は、栽培中にカメムシが稲を食べたことです。「斑点米」と呼ばれるもので、カメムシに栄養素を吸われて状態が悪いものは精米時に色彩選別機などを使って弾かれ、出荷されないことが多いです。しかし、農家から直接お米を手に入れた場合などは、状態の良くない斑点米が混ざっている可能性はあるので注意しましょう。あまりに状態の悪いものは、栄養成分や食感が劣ると考えられますが、一般的に流通しているものはカメムシによる被害が少ないものなので、食感やうまみが一般のものと比べて劣っていると感じることはないでしょう。斑点米自体は品質や安全性に影響はなく、食べることに問題はありません。

保存している一部のお米だけにカビが生えてしまったら

カビが生えたお米は人体に有害なため、食べることができません。では、一部のお米だけにカビが生えて変色しており、周囲のお米は変色していない場合はどうでしょうか。カビは変色しているところだけに生えているわけではありません。カビの胞子は目に見えないほど小さいため、異常がないように見えるお米にもカビが付着している可能性があります。一部のお米がカビにより変色しているなら、周囲のお米にも影響があると考えたほうがよいでしょう。また、カビが生えるほど保管状況が悪いのであれば、目には見えない細菌が繁殖していること可能性も考えられます。「カビが生えている一部だけ取り除けば食べられるのでは」ともったいなく思う人もいるかもしれませんが、カビが生えたお米は衛生上問題があると考え、食べずに廃棄しましょう。

お米を変色させないためにはカビ対策を

お米の変色が起きる理由は、大きく分けて「保管中のカビの発生」と「稲に虫が付いたこと」の2つです。このうち「保管中のカビの発生」は保存場所に気を付けることで防げます。お米は湿気を吸収しやすくカビが発生しやすいです。米袋には空気穴があけられているため、未開封であってもそこから湿気が入り込みます。日常的に食べるお米はもちろん、「備蓄していたお米が、いざというときに開けるとカビが生えていて食べられない」などの事態を防ぐためにも、正しい保存場所に保管することが大切です。

カビが発生しやすい条件は「70%以上の高い湿度」「カビのえさとなる栄養分」「20~30度の温度」「酸素」が揃っていること。米自身には水分が含まれており、吸湿性も高いため「湿度」の条件を満たします。また、米自身に「栄養分」がたっぷりと含まれます。このため、保存場所には、「乾燥していること」と「密閉され酸素が限りなくないこと」「低温」が求められるのです。

この2つの条件を満たせるのが冷蔵庫の野菜室です。野菜室はお米が産地で保管されているときの温度に近く、適した温度で保管できます。密閉できるライスストッカーや米びつに移し替え、生ものに接しないように保管するとよいでしょう。乾燥材や珪藻土の除湿剤などを入れておくと湿度によるカビを防ぐことができます。冬など気温の低い季節は、直射日光が当たらない冷暗所での保存も可能です。そのほかにも、「濡れた手でお米を触らない」「計量カップを入れっぱなしにしない」「大量に買い置きしない」などの注意点に気を付けることで、お米のカビを防ぐことができます。

お米から嫌なにおいがする!その理由とは

保存しているお米から嫌な臭いがすることがあります。臭いの原因別に解消方法について説明していきます。

お米に臭いが移っている

お米は吸水力が高く、空気中の湿気に混じった臭いをぐんぐん吸収してしまいます。一度吸収してしまうと、お米を研いでも臭いを完全に除去するのは困難です。少し臭い移りした程度であれば健康上の問題はないと考えられますが、臭いの付いたお米は食欲を減退させるため、食べたくないという人が多いでしょう。臭いが付かない工夫が第一ですが、万が一付いてしまった場合は、カレーライスやチャーハンのように濃い味つけで食べるとよいでしょう。

お米の中でも無洗米は特に臭いが移りやすいです。お米は、もみ殻を取り除いて「玄米」になり、胚芽とぬかを取り除いて「精白米」になります。さらに、お米の表面にある肌ぬかを取り除いたものが「無洗米」です。無洗米はコーティングが除去されてお米がむき出しになっている状態になので、精白米と比べ、臭い移りしやすいことが分かっています。無洗米は環境にやさしく時短にもなる優れもの。おいしく食べられるように、保存場所に気を付けましょう。

お米が古い

お米が古いとぬか臭く感じることがあります。収穫から1年以上が経過した古米は、ぬかに含まれる脂肪の酸化が進みがちです。人体に影響があるわけではありませんが、酸化が進んだ古米の臭いはお米を研いでも取ることができないため、どうしても気になる場合は、炊飯時にお酒や酢、みりん、ハチミツなどを入れて臭い消しをしたり、臭い移りしてしまったときと同様に、お米の炊き方や利用方法を工夫して食べるとよいでしょう。古米はパサつきがちなので、パエリアやリゾットに向いています。また、精米しなおすとぬかを取り去ることができ、臭いを減らすことができます。

ぬかがたくさんついている

ぬかや胚芽の栄養素を残すために、精米の割合を七分づき、五分づきなどにしている場合、ぬか臭いと感じてしまう可能性があります。この場合は精米しなおすことでぬかを取り去ることが可能です。

カビが生えている

変色の原因になるカビは、臭いの原因にもなります。カビ臭さを感じたら、カビが生えていないか、カビが生えやすい環境で保存していなかったかをよく観察しましょう。カビが生えている場合は食べることができません。

お米の臭い問題を解決するには

お米から嫌な臭いがする原因は、大きく分けると「臭い移り」「ぬか」「カビ」の3つだということが分かりました。ここからは、「臭い移り」と「ぬか」の臭い問題を解決する方法を紹介します。

臭い移りを予防する方法

保存場所や保存方法を工夫して、お米の臭い移りを予防することができます。まず行いたいのは、購入したときの米袋からライスストッカーや米びつに移し替えることです。この方法で米袋に開いている小さな穴から臭いが入り込み、お米にしみ込むのを防ぐことができます。ライスストッカーや米びつがない場合は、ペットボトルで代用することも可能です。ただし、入っていた飲み物の臭いが移らないように水やお茶の入っていたものを使うようにし、よく洗った後、湿気が残らないように乾燥させて使いましょう。密閉性が高く冷蔵庫での保存にも向いており、計量しやすい点もお米の保存に適しています。

さらに、お米と一緒に臭いの強いものを保存しないようにしましょう。冷暗所に保存するという点で、お米と保存場所が近くなりがちな洗剤や灯油などは、臭い移りしやすいものの代表格です。また、冷蔵庫でお米を保存している場合は、生ものの近くに置かないよう注意が必要です。

ぬか臭さの解決方法

お米をもう1度精米しなおすと、ぬか臭さを取り去ることができます。頻繁に使うなら家庭用のコンパクトの精米機を購入してもよいでしょう。お米は精米した瞬間から酸化していくため、いつも精米したてのお米を使いたい人にも適しています。古米のぬか臭さが苦手な場合は、新米を購入し、大量に備蓄しすぎないようにするとよいでしょう。

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