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東の横綱!ササニシキでお米を食べよう

東の横綱!ササニシキでお米を食べよう

最近ではお米よりもパンを主食にする人も多くなっています。糖質制限を気にしてあまりとらないようにしている人も多いかもしれません。しかし、何といっても私たちの食文化はお米とともにあります。和食には欠かせないもの、それがお米だと思います。お米はとても栄養価が高い食べ物で、多くのエネルギーをバランスよく含んでいます。普段からよく食べる人もそうでない人も、お米の素晴らしさを再認識していただけたら嬉しいです。 ササニシキの歴史 「ササニシキ」というお米を知っていますか。名前ぐらいは、という人もいるかもしれません。1963年にササニシキは、宮城県立農業試験古川分場で生まれ、かつては宮城県を代表する銘柄でした。父の「ササシグレ」と母の「ハツニシキ」を交配することでササニシキは誕生し、1990年には西の横綱「コシヒカリ」に対し、「東の横綱」と呼ばれるほどの人気となります。その命名は父母からからそれぞれの名前をもらい、宮城の民謡「ささしぐれ」からつけたといわれています。 当時の作付面積は、コシヒカリに次いで2位という、なくてはならない品種でしたが、茎が伸びやすく、細くて弱いことと、冷害に弱く天候に左右されやすいため、その作付面積は大幅に減少を辿ります。今ではササニシキの生まれ宮城県でさえ、その作付面積は8%と低迷しています。ササニシキの育種は1953年に始まります。当時は米不足により収穫量の多い米が求められ、宮城県古川農業試験場でもそれに合わせた育種が行われます。 親のササシグレはいもち病に弱く耐倒状性も弱いなどのいくつかの欠点をもっており、その欠点を補うために、その相手としてハツニシキが選ばれます。ハツニシキはどの点でも合格点ではありましたが、特別な特徴のない品種です。しかし、ハツニシキはササニシキが誕生するための大事な役割を担う米となります。そうして宮城県でササニシキは誕生します。東北地方の温暖な平野部中心で生産をされており、ササニシキはかつて高収量、良食味米として偉大なお米でもありました。 ササニシキは太りづらいお米!? お米は太る。そう勘違いしている人も多いかもしれません。ササニシキは純粋なうるち米です。うるち米には2種類のデンプンが含まれていて、その2つがアミロースとアミロペクチンです。この2種類の構成する割合によってお米の持つ特徴が変わってきます。ササニシキの特徴として、まずアミロースの含有量が多いことがあげられます。それぞれ体内で分解され、最終的にはブドウ糖になるのですが、アミロペクチンはブドウ糖が枝分かれしており端がたくさんあるのに対して、アミロースはブドウ糖が1本のラインで繋がっています。 消化酵素が体内でデンプンを細かく分解していくのですが、消化酵素の特性として端っこから切っていくということが上げられます。つまり、端が多いアミロペクチンに対しては一度にたくさんの消化酵素が使われ、反対にアミロースの方は消化酵素を少なく使い消化することができます。マウスを使った実験結果では高アミロースの米では、メタボリックシンドロームや糖尿病への予防効果がみられています。(https://ci.nii.ac.jp/naid/130006944825/)そうした理由により、アミロースが多く含まれるササニシキは、消化に優しく、内臓への負担も少ないため、医者もすすめたいお米といえます。 ササニシキは血糖値の上昇が穏やかで、ゆっくりと消化されるので太りづらいお米というわけです。お米のアレルギータイプにもよりますが、ササニシキはお米アレルギーも起こしにくいとされています。最近では、子どもに米アレルギーを持っている子もいますが、行き過ぎたお米の品種改良が原因とされています。人によってはモチモチした系統の米を食べることで、アレルギー症状を訴える人もいます。ササニシキはあらゆる疾患に効果的なお米でもあるのです。 お寿司屋さんはササニシキびいき!? ササニシキは、冷めても硬くなりにくく美味しいという特徴から、お寿司屋さんでは根強くササニシキを使用する職人さんも多いようです。決して出しゃばらず、奥ゆかしいその様は、新鮮でなおかつ繊細なネタをより引き立てます。ササニシキならではの優しさがネタの邪魔をせず、お寿司の良さをさらに上質なものにしてくれます。厳選して仕入れたネタに必要不可欠な役割を担うのです。何より冷めてもふっくらしており、握ったときに程よく空気を含み、味わいも主張しないので、お寿司屋さんではササニシキ一筋のお店もあるくらいです。 寿司酢を加えてもべたべたしないササニシキの特徴は、職人に好まれ、それでいて職人の繊細な技術も必要となってくるので、寿司という繊細な料理では職人の腕にもかかってきます。シャリにササニシキを使用している店は、お米の特徴を把握している良い職人がいるという目安にもなります。最近では、ロボットが握るお寿司屋も多く、その際には味の濃く、粘りもあり、まとまりの良い米を選ぶようですが、人間が握るお寿司には主張が強い米ではなく、ササニシキのような素材本来の味を消すことがない、口に入れたときの一粒ひと粒のお米のバラけ方が良い米が寿司の魅力を際立たせるのです。 ササニシキそのものが職人のようであり、素材を引き立てる軸を持ちながら、奥にしっかり華がある、そんな魅力が機械ではなく手で握る職人の心を捉えています。現在は、一般家庭より料亭や寿司屋に供給されています。日本の一般的なうるち米のでんぷんは、コシヒカリなどの品種が17%程度です。それに対し、ササニシキは20%~23%含まれています。そのためその味はあっさりとしており、昔ながらの日本人の食文化に合っています。 どんな料理に合うの? ササニシキは粘りの少ないすっきりとした味わいが魅力のお米です。そんなササニシキにおすすめの料理は、まず第一に和食です。コシヒカリのような粘り気やもっちりとした食感はないものの、さらっとしたササニシキならではの食感は、日本の繊細な和食にとてもよく合います。例えば白身魚ならたんぱくな味わいを無くすことなく、どちらの良さも引き立てることができるのでおすすめです。もちろん、濃いめに煮付けた魚も良いですし、冷めたあとの料理にもよく合います。また、冷たいおかずにもササニシキは良く合います。 冷めてもふっくらしており、味わいがいいのでお弁当のご飯にもササニシキは相性がいいでしょう。冷めてしまい、温められない場合などにもおすすめできます。和食ではないですが、ササニシキの特徴としてパラパラしているため、チャーハンなどの炒めご飯にもよく合います。チャーハンをパラパラに作るのは意外に難しいですよね。そんな時にはササニシキを使うのをおすすめします。他には、ご飯を使うどんぶりもの、特に素材の味を生かした郷土料理では、地元の旬な海産物や野菜などをご飯にのっけて食べる料理も多いためササニシキは重宝します。 仙台づけ丼やキラキラ丼などのすし飯の上に採れた旬の素材をのっける料理にはとてもよく合います。また、油っこい料理なら口の中をすっきりさせてくれるので、中華料理とも相性がいいです。八宝菜や麻婆豆腐などの料理も美味しくいただけます。私たちのソウルフードといっても過言ではないおにぎりにも、ササニシキの素朴でベタベタしない食感は本当によく合います。お漬物にも合いますし、のど越しも良いのでお茶漬けなら、お米が一粒ずつ品よく主張し、より軽く食べられます。ササニシキは私たちが昔から慣れ親しんできた味にとてもよく合うお米なのです。 話題の玄米菜食にも、「ササニシキ」が日本人の体に最適とされており、採用されています。さっぱりとした純粋なうるち米は嚙む力の弱い人にもおすすめですし、炊き上がりの香りの良さも魅力です。お米が主張しすぎない、優しい、けれども甘過ぎない。ササニシキはそうしたたくさんの魅力を持っています。でんぷん質が少ないので、たくさん食べても胃もたれを起こすことがなく、食べ飽きる心配もありません。お米好きが最後に戻ってくるのはササニシキと言われています。食べ心地が軽いため、明日のために胃を疲れさせたくないときにもいいです。それと朝はあまりたくさんは食べれませんよね。日本のあっさりとした朝食のおかずにも悪目立ちせずすっと入ってくると思います。 今では「幻の米」!ササニシキ 1960年代後半、気象変動の影響で、ササニシキはいもち病を発症するようになります。また天候の影響を受けやすく育てるのが難しいことから、品質にムラが起こります。1980年東北地方を大冷害が襲い、ササニシキも大きな打撃を受けます。この大冷害ではコシヒカリが冷害に強いことが証明されています。そこで「初星」がコシヒカリの弱点を補える品種として選ばれます。1981年に新品種の育種をスタートし、「ひとめぼれ」が誕生します。 初めは宮城県の米農家の反応は特になく、宮城県では敬遠する人もいました。1993年、東北は再び大冷害に襲われます。全国的にも稲作の作況指数が近年にないほど下がり、米の値段が高騰します。海外からのお米も多くなり、「平成の米騒動」と言われました。この状況では消極的だった農家もひとめぼれの作付けを開始し、わずか3年後にはササニシキの作付け面積を超えるまでになりました。さらには、「はえぬき」などの病気や寒さに強い品種の作付面積が伸び、ササニシキは減少していきます。 しかし、1977年から古川農業試験場ではササニシキと同じ品質を持ち、いもち病にも強い品種を可能にする試みが行われていました。それが「ささろまん」です。そして2001年にはササニシキとひとめぼれの交配が行われ、「ささ結」が生まれます。ササニシキに似ているすっきりとした食感となおかつ寒さに強い品種もできています。現在、日本のお米の不作面積の中でササニシキの不作面積は0.4%しかありません。今では希少なお米でもあります。ササニシキは比較的病気には強く、無除草剤や無農薬での栽培に適しているという利点があります。 しかしながら低温・高温に弱く、栽培に気を払う必要があり、減収やすく品質も低下しやすいため、生産者の高い技術が求められます。高齢化の波により、作ることが難しく、そのため生産者の量も減り「幻の米」と言われています。最近では、新品種の改良が進み、米作りに高い技術を必要とせず、収穫量も多い品種が多くありますが、手間のかかるお米なだけに強い信念をもつ生産者のもとで、丁寧にササニシキは育てられています。主役になるようなお米もいいですが、ササニシキのような素朴で上品なお米に立ち返ってみてはいかかでしょうか。なかなか食卓に見なくなったササニシキを一度味わってみることをおすすめします。

自分好みのお米の選び方は!?品種ごとの味の特徴やおすすめの食べ方を紹介

自分好みのお米の選び方は!?品種ごとの味の特徴やおすすめの食べ方を紹介

毎日、当たり前のように口にしているお米。実は同じ国産米の括りでも、品種によって味や食感の個性が多岐にわたることをご存じでしょうか。ここでは、品種ごとの味・食感の特徴やおすすめの調理法など、普段からのお米選びが楽しくなるような情報を紹介していきます。 どんな食べ方にも合う万能型のお米品種の紹介 まず、炊いてからの経過時間や調理法を問わず、どのようなシーンでもそつのない美味しさを楽しめるお米品種を紹介します。トータルバランスに優れたお米は、粘り気や硬さが程良く整っているのが特徴です。味や食感に際立った印象を残すタイプではありませんが、その分飽きずに喉を通り、さまざまなおかずを引き立たせる名脇役として食卓を支えます。 あきたこまち トータルバランスに優れたお米の代表格として挙がるのが「あきたこまち」です。ネーミングの通り秋田県発祥のあきたこまちは、1984年、親のコシヒカリと他品種との交配によって誕生しました。「こまち」は、平安時代の女流歌人として知られる小野小町から取っています。親のコシヒカリ特有の美味しさを継承したうえで、バランスの良い味わいを備えている品種です。発売以来、瞬く間に評判が広がり、東北から九州まで日本各地で生産されています。適度な米粒感と一定の粘り気や柔らかさを併せ持ち、ややあっさりした味わいはどんな料理と食べても好相性を発揮します。 ひとめぼれ ひとめぼれは、宮城県にてコシヒカリと初星の交配によって生まれ、1991年にデビューした品種です。ひとめぼれは、耐冷性に優れており、冷害でササニシキが記録的な不作に直面した年に、安定した収穫量を示したことから一気に評価を高めました。そうして、流通開始からわずか数年で、稲作の作付面積においてササニシキを上回り全国2位まで上りつめました。炊いたお米は一粒ごとのツヤが見事で、思わず一目惚れするほどの美しさにちなんで「ひとめぼれ」と命名されています。確かな甘みと粘りを有していながら、それらが決してしつこすぎない範囲に収まり、肉料理、高級和食、お弁当などさまざまなシーンで食材を十分に活かしてくれます。 夢つくし 福岡県田川市発祥の「夢つくし」も、極端な癖がなくさまざまな料理と合わせやすい品種です。1994年にコシヒカリとキヌヒカリの交配により誕生し、コシヒカリの旨味とキヌヒカリのさっぱりとした食感を併せ持っています。全国的に際立った知名度はないものの、筑後川流域が主な生産地となり福岡県内ではお馴染みの存在です。一粒一粒が程良い甘さを保ちながら、コシヒカリほどの強い粘り気はなく、どのような食べ方でも楽しめるのが魅力です。 肉・魚料理に合うお米品種の紹介 続いて、肉・魚料理に合うお米の品種を紹介していきます。肉や魚料理は、おかずの中では味・食感ともに存在感の強い部類に入ります。その分、一緒に味わうお米も、ふっくらとして確かな食べ応えがあるタイプが最適でしょう。また、こうした系統の品種は、炊き立ての白ごはんを単体で味わっても非常に美味しく、敢えて米そのものの旨味を楽しむという食べ方もおすすめです。 コシヒカリ 人気・知名度ともに、数あるお米品種の中でも象徴的存在と言えるのがコシヒカリです。コシヒカリの「コシ」は北陸の「越の国」を表し、北陸に光「ヒカリ」をもたらすイメージを込めてコシヒカリと命名されました。北海道と沖縄を除く日本全国で生産され、作付割合(約34%)も2位のひとめぼれ以下を大きく引き離してトップを維持しています。コシヒカリは、産地に応じてさらにブランドが枝分かれしており、新潟の魚沼産コシヒカリをはじめ、兵庫県の丹波篠山産コシヒカリ、福島県の白河コシヒカリなども有名です。 コシヒカリは、何よりもっちりした粘りと噛むほどに口内に広がる甘さが魅力的です。しっかり食べ応えもあるので、肉料理など主張の強いおかずと一緒でも安定した味わいを保ち、ごはん単独で食べてもその美味しさが十分味覚に染みわたります。 ゆめぴりか ゆめぴりかは長年の品種改良を経て開発され、北海道で2009年頃から流通し始めた比較的新しい品種です。低アミロース米としても知られ、アミロースが少ないことでより柔らかく粘り気のある炊き上がりとなります。構成成分としては、通常のうるち米よりもち米に近い存在であると解釈できます。味の個性としてコシヒカリと同系統にありますが、粘りと柔らかさの面ではコシヒカリ以上の水準を再現しています。そうした特徴がある反面、ごはんを炊く際は水分量が多くなりすぎないように注意した方がいいでしょう。味の濃い料理との相性は抜群で、冷めても柔らかさが持続するため、お弁当用にも向いています。 ミルキークイーン 山梨県富士吉田市発祥、コシヒカリの突然変異により生まれたミルキークイーンも、ゆめぴりか同様低アミロース米に属する品種です。元々は国主導の品種開発事業として、その研究が進められていた背景があります。富士の雪解け水と高地の環境下で育ったミルキークイーンの外見は、白濁のあまり目立たない美しい透明感が特徴です。甘さとコク、粘り気などは低アミロース米ならではですが、特に餅に類似したもっちりとした食感は、ゆめぴりか以上の水準にあるとされています。こうした特色から、肉料理や濃厚な料理におすすめできると同時に、白ごはんだけでそのまま味わうのもいいでしょう。 ササニシキ ササニシキは、宮城県で開発され1963年頃から流通している東北地方を代表する品種です。ネーミングの由来は、交配に使用した2種類の品種名を掛け合わせてササニシキと称しました。先述したアミロースをササニシキの場合は多く含んでおり、粘り気は控えめの状態で炊き上がるのが特徴です。粘り過ぎない分ほぐれやすいという個性を有することから、ササニシキを好んで使う高級寿司店も少なくありません。余計な雑味が少ないので、肉料理のみならず繊細さのある魚料理にも特におすすめです。 おにぎりに合うお米品種の紹介 日本人のソウルフードと言っても過言ではないおにぎり。そんなおにぎりをより美味しく食べるために、どのようなお米が向いているのか気になる人もいるでしょう。まず、おにぎりを実際に食べるシーンをイメージすると、調理後一定の時間が経過してから食べるケースがほとんどです。さらに、作る際はおにぎりの形状に整えるため、一定の圧力がごはんに加わってしまいます。そうした点を考慮すると、時間が経過したとしても粒感とふっくらした食感が失われないお米が理想です。 雪若丸 雪若丸は、一足先に有名になった「つや姫」の弟に当たる品種として山形県で開発されました。姫に対する「丸」というネーミングは、稲穂の生える姿と実る米粒の大きさが男性的であることから命名されています。見た目は白さとツヤの美しさが際立ち、しっかりした粒感と弾力ある食感が魅力です。そのため、おにぎりとして長時間が経過してから食べるケースでも、米一粒一粒の形状と噛み応えを存分に楽しむことができます。湿気や乾燥といった外的環境に関わらず、米粒本来の食感を維持しやすいことからまさにおにぎり向けの品種です。 新之助 新之助は、「コシヒカリとはベクトルの異なる美味しさ」をテーマに開発された新潟県発祥の新品種です。味覚センサーによる計測に基づき、コクと甘味、味の厚みに関して平均値を大きく上回る水準に達していることがわかっています。そして、おにぎり用という観点からも魅力的な特徴が満載です。ごはんが冷えた状態でも表層や粒全体が硬くなりにくく、品質劣化が少ない性質を有しています。ほぐれやすさと粘り感も高次元で両立しており、お気に入りの具材で絶品おにぎりを仕上げる際にはぜひ試してほしいお米です。 カレー・炒飯系に合うお米品種の紹介 カレーや炒飯を本格的に味わうには、ごはんの粘り気や水分は控えめにさらっと仕上げたいものです。しかし、コシヒカリ系統の瑞々しい品種では、いくら強火で加熱してもなかなかパラッとした理想的な状態を再現できません。 あさひの夢 愛知県で誕生したあさひの夢は、群馬県や栃木県で多く流通している品種で、群馬においては県内トップの作付面積を誇ります。あさひの夢という呼称は、交配種の「旭米」と開発メンバーの夢を実現した品種であるという点から命名されました。コシヒカリより収穫時期が遅い一方、収穫量が他の銘柄より多いというメリットもあります。粘り気が控えめでさっぱりした味わいが特徴のため、サラッとした炒飯を調理したいならぜひ試してもらいたい品種です。値段が比較的安価に設定されているのも魅力で、食べ盛りの子供たちが揃う家庭や、質と量を求める飲食店からも確かな支持を集めています。...

研ぎ方で味が変わる!お米を研ぐ際のポイントとは

研ぎ方で味が変わる!お米を研ぐ際のポイントとは

昔は精米技術が未熟だったため、お米には米ぬかや汚れがたくさん付着していました。しかし、現在は技術が向上したので、綺麗に精米することができます。そのため、お米を研ぐ際も、そこまで念入りに洗う必要はないでしょう ただ、お米を研ぐ理由は汚れを落とすためだけではありません。お米は研ぎ方次第で、風味や味わいが大きく変わってくるのです。そこで今回は、お米を美味しく食べるための正しい研ぎ方を紹介します。 そもそもお米はどうして研ぐの?お米を研ぐ際のポイント 普段お米を研ぐ際は、どのようなことを意識しているでしょうか。多くの人は、お米に付着した汚れを落とすために研いでいるのではないでしょうか。確かに、精米技術が向上した現在でも、お米には多少のぬかや汚れ、ほこりなどが付着しています。それを落とすことも、お米を研ぐ理由のひとつです。しかし、汚れをしっかり洗い落とそうとするあまり、強い力で何度もお米を研いでしまうと、かえって逆効果になってしまうことがあります。お米は洗い過ぎると表面が割れてしまい、そこから風味や美味しさが逃げてしまうことがあるのです。 特に新米はぬかや汚れがほとんどついていないので、あまりゴシゴシと洗う必要はありません。研ぐ際は軽く、そしてやさしく洗うのがコツです。また、精米直後のお米も、鮮度が良いので軽く洗い流すだけで汚れは十分に落とせるでしょう。一方、収穫してから1年以上経過しているような古米の場合は、表面に汚れが蓄積している場合が多いので、新米や精米直後のお米よりは念入りに洗ったほうが良いです。古米は酸化によって風味も劣化しているので、しっかり洗って風味を復活させるのが美味しく炊き上げるコツです。 とはいえ、新米でも古米でも、ただ汚れを落とすためだけに研いでいるのでは美味しくはなりません。お米を美味しく炊き上げるためには、まず洗うスピード、次いで使用する水、それから研ぐ回数の3つがポイントになります。また、研ぐ前には必ず計量カップなどで正しく分量を量ることも重要です。それでは、以下の段落でそれぞれのポイントを詳しく見ていくことにしましょう。 意外と見落としがち?お米を正確に量ろう お米を美味しく炊き上げるためには、まずお米の分量を正確に量る必要があります。お米を炊く際は、お米の分量に合わせた適量の水を入れなければなりません。そのとき、分量に誤差があると、たとえ小さな差だったとしても、お米の炊きあがりに大きな影響を与えてしまうことがあるのです。 1合ずつ正確に量る お米の分量を正確に量るためには、まず1合ずつ分けながら計量するのが鉄則です。1合のお米は、180mlの計量カップにちょうど1杯分、グラム数で表すと約150gとなります。炊く量が多くなると誤差も生じやすいので、なるべく1合ずつ計量カップで量っていきましょう。また、品種によっては粒の大きいお米もあるので、同じ分量でも適量の水が変わってくる場合があります。分量を正確に量りつつ、品種によって異なる水加減についても知識を持っておきましょう。 お米の正しい計量方法 180mlの計量カップを使っていても、適当にお米を掬って分量を量っていては正確な計量ができません。計量カップで1合を量る際は、まず山盛りにお米を入れます。その際、あまりギチギチに詰めてしまうと正確な分量が量れないので、なるべくふんわりと入れるように意識しましょう。カップから盛り上がっている部分は余分なので、箸などを使って溢れている部分をすりきりします。これで正確に1合の分量を量ることができます。もし、家にデジタルの計量器があるなら、それで量ってしまっても良いでしょう。1合あたり150gなので、たくさん炊く際はそのほうが正確かつ効率的です。 最初は水を良く吸う!良質な水でさっとすすごう 正確な分量を量ったら、いよいよ水でお米を研いでいきます。その際、まず意識したいのが水質です。乾燥した状態のお米を水に浸けると、お米は水を一気に吸収してしまいます。ですから、最初に浸す水は浄水などの綺麗な水を使いたいところです。普通の水道水に浸けてしまうと、水道水のカルキ臭まで吸収してしまい、お米独特の風味が損なわれてしまうこともあります。美味しいお米を炊き上げるなら、浄水か純度の高いミネラルウォーターを使って洗うようにしましょう。 また、良質な水を使っていても、お米を水に浸せば付着していたぬかや汚れが水に浮きます。乾いたお米は水を吸収しやすいので、最初のすすぎをゆっくりやっていると、浮き出たぬかや汚れまでお米が吸収してしまうことになります。そのため、特に最初のすすぎはスピードが命です。水にお米を浸したら、手で軽くかき混ぜて、さっと水を捨てましょう。かき混ぜるのは10秒くらいで十分です。かき混ぜたらぬかや汚れが浮き出てくるので、放置せず素早く水を捨てるのがコツです。 最初のすすぎはスピード勝負なので、水の使い方にもコツがあります。お米を洗う際、まずボウルや炊飯器の内釜にお米を入れてから、後で水をそそぐという人が多いのではないでしょうか。しかし、このやり方ではボウルや内釜に水が溜まるのを待つ間に、浮き出たぬかの臭いをお米が吸収してしまいます。ですから、最初にお米をすすぐ際は、先にボウルや内釜に水を溜めておき、後からお米を入れるのがコツです。こうすることで、ぬかの嫌な臭いの吸収を最小限に抑えながら、手早く洗うことができます。 ちなみに、炊飯器の内釜ではお米を研がないほうが良いといわれることもあります。実際のところ、ボウルで研いでも内釜で研いでも、お米の研ぎ方としてはどちらも間違いではありません。内釜で研いだからといってお米が美味しく炊けなくなるわけではないので、基本的にはどちらで研いでも問題ないでしょう。ただし、炊飯器のメーカーによっては、内釜で研ぐことを推奨していないケースもあります。内釜でお米を研ぐと、内釜のコーティングが剥がれ、お米の炊きあがりに影響が出てしまうことがあるためです。ですから、気になる人は内釜を使わず、ボウルなどで研いだほうが安心かもしれません。 やさしく研ごう!お米を研ぐコツ 良質な水で素早くお米をすすいだら、いよいよお米を研いでいく工程に入ります。このとき、水を入れたまま研ぐ人もいるかもしれませんが、美味しいお米を炊き上げるためには、水はしっかり切ってから研いだほうが良いです。水を入れたまま研ぐと、抵抗が生まれてお米とお米がうまく擦れません。お米に付着しているぬかや汚れは、お米同士が擦れることで効率的にとることができます。ですから、お米を研ぐ際はしっかり水をきってから研ぐのが鉄則です。 やさしく研ぐことを意識しよう 水をきったら、手でお米をやさしく研いでいきます。このとき、あまり力を入れ過ぎないように注意しましょう。擦れることで汚れが落ちるといっても、新米や精米直後のお米にはそこまで汚れは付着していません。むしろ、力を込めて研いでしまうと、お米同士が擦れすぎて割れてしまうことがあります。やさしく洗うだけでも十分にぬかや汚れは落とせます。 同じ方向にかき混ぜるようにして研ぐ お米を研ぐ際の手の動きは、同じ方向にかき混ぜるように動かすことです。拳を軽く握るような形に手を作り、力を抜きながら一定のスピードでぐるぐると回します。シャカシャカと音をたてながら、20回くらい回せば十分でしょう。このとき、速く回したり、お米を握りしめたりしないように気を付けましょう。お米同士の摩擦を利用して、あくまでやさしく洗うのがコツです。 水を捨てる回数は2回程度が基準 やさしくお米を研いだら、水を入れて濁った研ぎ汁を捨てます。水を捨てる回数は、だいたい2回が標準です。気になる人はそれ以上やっても良いですが、あまり研ぎすぎるとお米が美味しく炊きあがりません。回数の目安としては、お米の研ぎ汁の濁り具合を参考にすると良いでしょう。研いだお米に水を入れてみて、うっすら粒が透けて見えるくらいが目安です。水が完全に透明になるまで研いでしまうと、お米の栄養や風味まで水で流れてしまっている場合があります。美味しさを留めるという意味でも、水を流す回数は2~3回ほどにしておきましょう。また、濁った研ぎ汁は下のほうに沈殿しやすいので、水を捨てる際は軽くかき混ぜてから捨てるのがコツです。 洗米は水道水でもOK お米を洗う水はミネラルウォーターなどの綺麗な水のほうが良いとされます。確かに、最初に使う水は浄水やミネラルウォーターが最適です。水によってお米の風味が大きく変わってきます。ただ、それ以降の水は浄水やミネラルウォーターでなくても構いません。もちろん、お米に触れる水はすべて良質なほうが良いのですが、最初の水を吸収して湿ったお米なら、それ以降に水道水を使ってもそこまで嫌な臭いは付着しません。ですから、洗米の工程では水道水でもOKです。 お米の品質や種類によって研ぎ方は変わる 水を2~3度捨てたら、適量の水を入れて炊飯器や鍋などで炊きます。そのまま炊いても良いですし、水に1時間ほど浸けてから炊き始めてもOKです。特に新米の場合は、水に浸けてから炊き始めたほうが美味しく炊きあがるといわれています。お米を水に浸けておくと、吸水して膨張し、炊きあがるときに粒がふっくらとします。新米は表面がつるつるしており、水を吸収しにくい特性があるので、事前に浸水させておくことでふっくらと炊きあがりやすくなるのです。 ただし、浸水時間は季節によって異なりますし、お米の品質や種類によっても変わってきます。古いお米は表面が乾いているので、水を吸収しやすく、長時間浸水させてしまうと粒がべたつきやすくなってしまいます。新米でも、浸けすぎるとお米がべたつくことがあるので、浸水時間は長くても90分くらいにしておきましょう。また、水温や気温が高いほど吸水率も高いので、夏は浸水時間を短めにするのがコツです。夏は30分、冬は1時間、春と秋はその中間と覚えておくとわかりやすいでしょう。...

炊き方で全然違う?お米を美味しく炊き上げる秘訣とは

炊き方で全然違う?お米を美味しく炊き上げる秘訣とは

お米を美味しく食べるためには、正しい手順でお米を研ぎ、そして炊き上げる必要があります。炊飯器で炊く場合は、とにかく手早くお米を研ぐのがポイント。一方、土鍋の場合は研ぎ方だけではなく、火加減にも注意したいところです。使う水にこだわればさらに美味しく炊くこともできるでしょう。今回は、お米を美味しく炊くための秘訣について解説します。 お米を美味しく炊くために!研ぎ方のコツをマスターしよう 炊飯器でも土鍋でも、お米を美味しく炊くためには正しい研ぎ方を身に付ける必要があります。研ぎ方次第でお米は味や風味が全く変わってきます。キーワードになるのが、とにかく手早くサッと研ぐこと。それでは、具体的にどのように研げば良いのか詳しく見ていくことにしましょう。 きちんと計量する お米を研ぐ際に大切なのが、まずきちんと計量することです。同じ計量カップを使っていても、山盛りに入れた場合とすりきりできっちり入れた場合では、お米の分量がかなり違ってきてしまいます。美味しいお米を炊くためには、お米の分量と水加減がしっかりマッチしていなければなりません。ですから、お米を計量する際は箸などを使ってすりきりし、なるべく誤差が生まれないように気を付けましょう。 ちなみに、お米1合は180mlの計量カップ1杯分、グラムで表せば約150グラムとなります。ただし、市販の計量カップは1杯あたり200mlで作られているものが多いです。200mlのカップで量ってしまうと分量が合わなくなってしまうので、計量カップでお米の分量を量るときはお米専用のカップを使うか、180mlの計量カップを用意しましょう。分量を正確に量れるデジタルスケールがあるなら、グラム数で計算してもOKです。 手早くサッと洗う 計量カップで正確な分量を量ったら、次は水でお米を洗っていきます。炊く前にお米を洗う理由は、お米に付着している余計なぬかを取り除くためです。ただ、精米技術が向上した現在では、お米に付着しているぬかもそこまで多くはありません。そのため、そこまで念入りにお米を洗う必要はありません。むしろ、必要以上にお米を洗ってしまうと、お米の表面が摩擦で割れてしまうこともあるため、きれいな水でサッと洗うのがコツです。 また、乾いた状態のお米は水を吸収しやすい性質を持ちます。洗っていないお米を長く水に浸けてしまうと、水と一緒にお米表面に付着しているぬかのニオイまで吸収してしまいます。ですから、最初に水を入れる際は、多めの水で軽くすすいですぐに水を捨てましょう。また、乾燥したお米はぬかだけではなく、水道水に含まれるカルキ臭も吸い込んでしまいます。最初に使う水は水道水ではなく、浄水やミネラルウォーターを使うとお米に嫌なニオイが付きにくいです。 洗い過ぎず、やさしく研ぐ 綺麗な水でお米を軽く洗ったら、次はお米が浸る程度に水を入れて、やさしくかき混ぜるように研ぎましょう。このとき、力を込めて研ぐのは避けたほうが良いです。お米が傷ついて、ひび割れてしまうことがあります。そして、水に浸す時間をなるべく減らし、とにかく手早く洗って水を捨てます。この工程を2~3回ほど繰り返すと、お米の研ぎ汁が少し白濁する程度に透明になってくるはずです。水を浸したときに、お米がうっすら見える程度の白濁具合になったら十分です。水が完全に透明になるまで洗ってしまうと、お米の栄養や旨味まで洗い流してしまうので注意しましょう。 炊飯器でお米を炊く場合のコツ 正しい手順でお米を研いだら、いよいよ炊く工程に移っていきます。まずは炊飯器でお米を炊く場合のコツを見ていきましょう。 水をしっかり切ってから水加減を調節する まず、水加減を調節する前に、洗ったお米の水をしっかり切りましょう。お米を炊くというのは、要するにお米に水を吸わせてふっくら仕上げる工程のことです。そのため、炊く前に洗った水がお米に付いていると、米ぬかや汚れが浮き出た水を吸収してしまうことになります。ざるを傾けるなどして、2~3分程度しっかり水を切ってから水加減を量りましょう。 水が切れたら、お米を炊飯器のお釜に移して分量の水を入れます。このとき、水加減を正確に量るため、必ず平らなところで作業するように心がけましょう。炊飯器の目盛りに合わせて、きっちり水を入れます。ただし、柔らかめや硬めなど、好みは人によって分かれるものです。柔らかめが好きなら水を少し多めに、硬くしたければ少なめにして調節しましょう。 水に浸したまましばらく置く 適切な加減まで水を入れたら、そのまましばらく置いておきます。お米を水に浸しておくことで、お米の中心部分まで水が浸透し、炊きあがったときによりふっくらとした仕上がりになります。浸しておく時間は30分程度が目安です。ただし、冬は水温が低く浸透しにくいので、時間を長くして60分程度は浸しておきましょう。このように、お米を水に浸す工程を浸漬(しんせき)といいます。 浸漬に使った水は捨てず、そのままお米を炊くことになります。ですから、浸漬は綺麗な水で行うのが基本です。料理に調味料が欠かせないように、お米を美味しく炊くためには良質な水が欠かせません。水の質がお米の味を決定づけるといっても過言ではないので、お米を炊く際は質の良い綺麗な水を用意しましょう。夾雑物を取り除いた浄水でも良いですし、ウォーターサーバーやミネラルウォーターもおすすめです。ただし、お米は硬水と相性が良くないので、ミネラルウォーターを使う際は軟水を用意しましょう。 水に浸したら、そのまま放置しない お米を炊く際は、翌朝に食べるために前日の夜に研いで炊飯器にタイマーをかけておくといった場合もあるでしょう。ただ、水に浸したお米を長い時間常温のまま置いておくのはあまりよくありません。お米のでんぷんが水に溶けだしてしまうことがありますし、長時間の常温放置はカビの発生にもつながります。時間的にやむを得ない場合は、浸漬したお米をお釜ごとラップにかけて冷蔵庫に入れておくなどしましょう。翌朝、冷蔵庫から取り出して自分でスイッチを入れれば、効率的かつ美味しいお米を食べられます。 お釜や炊飯器に付着している水は拭く お米を洗い、炊飯器にセットしたら、後はスイッチを入れて炊くだけです。このとき、お釜や炊飯器に水滴が付いている場合はしっかり拭き取ります。お釜に水滴が付着していると、炊飯器の故障の原因になるばかりか、炊き上がりにムラが出てきてしまうことがあります。炊飯器の内蓋も、洗った場合はしっかり水を拭き取ってからセットして、炊飯器のスイッチを入れましょう。 炊き上がった後はお米をほぐす お米が炊き上がったら、すぐに蓋を開けて中を確認してみましょう。現在の炊飯器には、蒸らしの工程が炊飯機能に含まれているものがほとんどです。ですから、炊き上がった後しばらく蓋を開けずに蒸らす時間は基本的に必要ありません。蓋を開けると内蓋やお釜の周りに水滴が付いているはずです。その水滴がお米に入らないように、蓋を開けたらまずは水滴を綺麗に拭き取りましょう。 水滴を拭き取ったら、炊き上がったお米をほぐします。なるべくお米をつぶさないように、やさしくしゃもじでかき混ぜます。お釜の底からお米を持ち上げるようにしてかき混ぜると良いでしょう。こうすることで余計な水蒸気が飛び、お米の炊き加減を均一にすることができ、よりふっくらした美味しいごはんに仕上げることができます。 火加減が大事!土鍋でお米を炊くには お米を美味しく炊きたいなら、土鍋を使って炊くのもひとつの方法です。炊飯器にも土鍋をモチーフにした商品があるように、土鍋でお米を炊くと粒がふっくらしやすく、ツヤツヤしたお米を炊くことができます。ただし、土鍋でお米を炊く場合は、水加減や火加減の調節が少し難しめです。以下、土鍋でお米を美味しく炊き上げる秘訣について見ていきましょう。 土鍋の大きさに合わせて炊く 土鍋でお米を炊く際は、まず鍋の大きさに合わせた分量のお米を炊くことが大切です。土鍋の容量に合わない量のお米を炊飯してしまうと、水が吹きこぼれて仕上がりがうまくいかなくなってしまうことがあります。土鍋にお米を入れて水に浸したときに、水位が鍋の6~7割程度の位置にくるのが理想的です。ただし、炊飯専用の土鍋を使う場合は、鍋の仕様で適切なお米の分量が決まっていることがあるので、その場合は仕様にしたがってお米を量りましょう。水の分量はお米の2割増しが目安です。2合炊く場合は450~500ml、3合炊きなら650~700mlが目安となります。...

購入前に知っておきたいお米の種類と特徴

購入前に知っておきたいお米の種類と特徴

「もっと美味しいお米を購入したい」「ライフスタイルにあっているお米を購入したい」などと考えていませんか。お米選びにこだわりたい方は、お米の種類と特徴を理解しておきましょう。これらを理解することで、買ってよかったと思えるお米を選びやすくなるからです。この記事では、お米の種類と特徴を詳しく解説しています。 実はいろいろ!お米の種類 お米は、加工方法で以下の種類にわかれます。 玄米 発芽玄米 精米 分づき米 無洗米 それぞれの特徴は次のとおりです。 玄米の特徴 玄米は、稲の種(籾)から殻(籾殻)だけを取り除いた状態です。果皮・胚芽・ヌカは残っています。したがって、これらを取り除く精米よりも栄養は豊富です。具体的には、ミネラル・ビタミン・食物繊維などを多く含みます。日本食品標準成分表2020年版(八訂)によると、「穀類/こめ/水稲めし/玄米(可食部100g)」のカルシウムは7mg、マグネシウムは49mg、ビタミンB1は0.16mg、ビタミンB2は0.02mg、ビタミンB6は0.21mg、「穀類/こめ/水稲めし/精白米/うるち米(可食部100g中)」のカルシウムは3mg、マグネシウムは7mg、ビタミンB1 は0.02mg、ビタミンB2は0.01mg、ビタミンB6は0.02mgです。精米よりも栄養を取りやすいといえるでしょう。一方で、食物繊維を豊富に含むため、精米よりも固い食感になります。ただし、マイナスとは言い切れず、プチプチとした食感が癖になる方もいます。また、美味しく炊くため、通常、5~6時間程度の浸水時間を必要とします。 発芽玄米の特徴 発芽玄米は、玄米に水を与えて0.5~1.0mmほど発芽させた状態です。発芽玄米を観察すると、芽がでていることを確かめられます。発芽玄米も栄養が豊富です。食物繊維とマグネシウムは玄米よりも豊富に含んでいると考えられます。また、GABAの含有量が多い点も特徴です。GABAは脳の興奮を鎮めると考えられているアミノ酸のひとつです。睡眠をサポートする機能や高めの血圧を下げる機能などが期待されています。玄米と食感が異なる点も特徴です。一般的に、玄米よりもモチモチしているといわれています。どちらかというと、精米に近い食感といえるでしょう。また、浸水時間も、通常30~60分程度しか必要としません。玄米よりお手軽な点も魅力です。 精米の特徴 精米は、玄米から果皮・胚芽・ヌカを完全に取り除いて胚乳だけになった状態です。白米と呼ばれることもあります。スーパーなどで販売されているお米は、精米あるいは白米と考えてよいでしょう。精米も栄養をしっかりと含みますが、玄米や発芽玄米ほどではありません。一方で、食感がモチモチとしているため食べやすい、胃腸に負担をかけにくいなどの優れた面もあります。また、玄米や発芽玄米のように、炊くときに浸水時間を必要としません。時間がないときでも美味しく食べられるお米です。 分づき米の特徴 玄米と精米の良いところを取り入れたい場合は、分づき米という選択肢もあります。分づき米は、胚芽・ヌカを一定の割合で残して精米した状態です。ヌカを3割ほど取り除いて胚芽を完全に残した状態を3分づき、ヌカを5割ほど取り除いて胚芽をほとんど残した状態を5分づき、ヌカを7割ほど取り除いて胚芽の一部を残した状態を7分づきといいます。以上からわかる通り、数字が大きくなるほど精米(白米)に近くなります。分づき米を炊く際は、3分づきで5時間程度、5分づきで3時間程度、7分づきで2時間程度の浸水が必要です。 無洗米の特徴 無洗米は、特別な方法で肌ヌカを取り除くことによりそのままの状態で炊けるようにしたお米です。肌ヌカは、精米で取り除いたヌカが表面に張り付いた状態を指します。一般的な精米方法で、肌ヌカを取り除くことはできません。通常のお米(精米)は、この部分を取り除くため炊く前に研ぎ洗いをします。肌ヌカを取り除く特別な方法には、肌ヌカの粘着性を利用するヌカ式、肌ヌカを水で洗い流して乾燥させる水洗い式、少量の水と肌ヌカを混じらせてタピオカで吸着するタピオカ式などが存在します。無洗米の魅力は利便性が高いことといえるでしょう。一方で、価格は通常の精米よりも高くなります。味は、通常の精米と基本的にかわりません。ただし、美味しく炊くために、水加減を多くする、30~60分程度の浸水時間を設けるなどの工夫が必要です。 お米の品種・銘柄と特徴 お米にはさまざまな品種・銘柄があります。もち米などを含めると800種類以上といわれるほどです。これらの中から好みの品種・銘柄を見つけるとなると難しいでしょう。ここでは、代表的な品種の特徴を紹介します。お米選びの参考にしてください。 コシヒカリ コシヒカリは、昭和38年に誕生した品種です。強い甘みとモチモチとした食感、豊かな香りを特徴とします。これらが評価されて、沖縄県と北海道を除く都道府県で作られています。主要な産地として、新潟県・茨城県・栃木県が挙げられます。公益社団法人米穀安定供給確保支援機構の発表によると、令和2年度における作付割合は33.7%です(以下の作付割合も公益社団法人米穀安定供給確保支援機構の発表を参考)。昭和54年以降、最も作付が多い品種となっています。高い人気を維持し続けている品種といえるでしょう。 ひとめぼれ ひとめぼれは、1991年に宮城県でコシヒカリと初星から誕生した品種です。出会った瞬間に一目惚れするほど色・つやが美しいため命名されました。特徴は、甘み・香り・粘りが強いことです。食感はモチモチというよりもシッカリしています。とはいえ、それほど固くはありません。固さは平均的といえるでしょう。令和2年度における作付割合は9.1%です。この割合は、コシヒカリに次ぐ2番目にあたります。主要な産地は、宮城県・岩手県・福島県です。冷害に非常に強いため、東北地方で多く作られています。 ヒノヒカリ ヒノヒカリは、1989年に宮崎県でコシヒカリと黄金晴から誕生した品種です。九州(西日本)を表す日とお米が輝く姿から名付けられました。特徴は、あっさりとした味わいで歯ごたえを感じられる程度にもっちりとしていることです。お米の粒がやや小さいことも特徴といえるでしょう。令和2年における作付割合は、ひとめぼれに次ぐ8.3%です。主要な産地は、熊本県・大分県・鹿児島県となっています。 あきたこまち あきたこまちは、1984年に福井県でコシヒカリと奥羽292号から誕生した品種です。秋田県出身といわれる小野小町にちなみ末永く愛される品種になるよう命名されました。コシヒカリの良さを受け継いだ品種の開発を目指し作られましたが、特徴はコシヒカリとやや異なります。旨味は十分に感じられるものの甘みはあっさりとしており、食感はモチモチというよりもシッカリしています。食べごたえを感じられる品種といえるでしょう。作付面積は6.8%、主要な産地は、秋田県・茨城県・岩手県です。...

美味しく食べるために!お米の保存方法と保存場所を考えよう

美味しく食べるために!お米の保存方法と保存場所を考えよう

乾物であるお米も、時が経つにつれて徐々に劣化していきます。特に購入したお米を袋のまま保存していると、本来の風味や味わいもすぐに落ちてしまいます。お米には正しい保存方法があるので、美味しいごはんを食べたいなら適切な保存方法を守りたいところ。そこで今回は、鮮度を保つお米の保存の仕方や、知っておきたい保存場所などについて解説します。 お米に賞味期限はあるの?お米の保存期間の目安 お米は収穫してから1年以上経っていても普通に古米として流通しているので、賞味期限や保存期間がないと思っている人も多いのではないでしょうか。確かに、食品表示法の規定では、お米に賞味期限や消費期限を記載する義務はありません。しかし、お米の分類は野菜と同じ生鮮食品です。そのため、缶詰のようにいつでも美味しく食べられる食品ではなく、保存の仕方によってはすぐに味が落ちてしまうこともあります。 もちろん、お米を収穫する専門業者は、適切な保存方法や保存場所を理解し、徹底した環境の下でお米を管理しているため、収穫から1年過ぎた古米であっても鮮度の良い状態をキープすることができます。しかし、一般の消費者には、プロの業者のような厳格な管理体制での保存は困難です。ですから、お米にはそれぞれ目安となる保存期間があります。その目安は以下の通りです。精米した日を起点として計算されます。 冬季:2カ月以内 春、秋:1カ月程度 夏場:2~3週間 上記の保存期間はあくまで目安に過ぎません。この期間を過ぎたら食べられなくなるわけではありませんが、お米は湿気や温度環境によって劣化の具合が大きく変わってきます。特に湿気が多く、気温も高い夏場はお米が傷みやすいため、夏場にお米を購入する際は食べきれる量をこまめに買うといった対策も実践していきたいところです。また、白米に比べて玄米は栄養価が高い一方、ぬかが残っていて酸化しやすいので、保存期間も短めです。いずれにしても、お米は早く食べないと味が落ちてしまうので、美味しく食べたいならなるべく早く消費するように心がけましょう。 お米は冷蔵庫に入れて保存してもいいの? 高温多湿の環境を避けて保存するなら、冷蔵庫に入れて保存するのもひとつの手です。一般的な冷蔵庫の気温は、メーカーによって多少の違いはありますが、冷蔵室の場合は2~5℃程度に設定されています。お米を保存する理想的な温度より低い数値ではありますが、直射日光を避けられる冷暗所でもあるので、冷蔵庫はお米の保存に適した場所であるといえます。ただし、冷蔵庫であればどこでも良いというわけではありません。ここでは、冷蔵庫でお米を保存する際のポイントについて確認していきましょう。 ポイントその1:冷気の吹き出し口付近に置かない 一般的な冷蔵庫の冷蔵室は、温度が2~5℃程度に保たれてはいますが、冷蔵室の場所によっては温度にムラが生じる場合があります。特に冷気の吹き出し口付近は温度が低い傾向にあるので、そこにお米を置いてしまうとかえって逆効果です。冷たい場所に置くと、冷えすぎてお米がひび割れてしまう恐れがあります。冷蔵室で保存する場合は、なるべく冷気の吹き出し口から遠ざけて保存するようにしましょう。 ポイントその2:冷凍庫には入れない 冷蔵庫の冷凍室は、温度が約-18℃以下に設定されています。これだけ温度が低い環境にお米を入れてしまうと、お米の中に含まれている水分まで凍ってしまいます。その結果、お米がひび割れてしまうことも。お米は冷凍庫ではなく、冷蔵室や野菜室などに入れて保存しましょう。 ポイントその3:野菜室はお米の保存に適した環境 お米を冷蔵庫で保存するなら、野菜室に入れるのがおすすめです。野菜室は、冷蔵室より少し温度が高めに設定されています。メーカーによる違いはありますが、おおむね3~7℃が一般的です。冷蔵室に比べて冷えすぎないので、お米にひびが入ってしまう心配もほとんどありません。また、広い冷蔵室に比べて、野菜室は密閉構造になっています。お米も野菜と同じ生鮮食品なので、野菜室に入れておくと鮮度を保ちやすいのです。 保存容器はどういうものを選べばいい? お米は袋のままではなく、密閉性の高い保存容器で保管したいところです。ただ、保存容器にはどういうものを選べば良いのでしょうか。ポイントは、しっかり密閉性を保てることと、お米が取り出しやすいこと、それから手入れがしやすいという3点です。以下、お米の保存に適した保存容器を紹介します。 ペットボトル 飲み干したペットボトルは、お米の保存容器として再利用することができます。蓋が付いていて密閉性を保ちやすいですし、傾けるだけでお米を取り出せるので、保存容器としての条件を十分に満たしています。また、縦にしても横にしても保存できるので、冷蔵庫で保管する際もスペースを有効利用できる点もポイントです。ただし、ペットボトルは深いので、底の部分を洗うのが少し難しい形状です。容器を清潔に保てなければお米の鮮度も落ちやすいので、ペットボトルを容器として使う場合は長い柄のついた専用のスポンジなどで隅々まで綺麗に洗ってから使いましょう。 ジップロック ジップロックもお米の保存に適した便利な道具です。口をしっかり閉じれば高い密閉性を保てるので、お米を酸化やニオイから保護することにも適しています。しかも、ジップロックならお米を小分けにして保存することも可能です。固形の容器ではないので、柔軟性が効き場所を取らないのもジップロックの良いところ。一度に食べる量をあらかじめ計量して分けておけば、お米を研ぐたびにいちいち計量しなくて済むので便利です。 タッパー いろいろなサイズがあるタッパーは、一人暮らしで米びつに入れるほどお米を買わない人でも使いやすい保存容器です。タッパーなら小分けにして保存でき、冷蔵庫に重ねて収納することもできます。同じサイズのタッパーを用意しても良いですし、状況に応じて大きさを分けながら保管することもできるでしょう。また、タッパーは手入れもしやすく、綺麗に洗えば何度でも使えるので経済的でもあります。 真空パック 密閉性の高い保存容器でも、完全に空気を遮断できるわけではありません。その点、真空パックなら空気に触れることはほぼないので、お米の保存容器としては非常に高い機能を持つ容器です。お米を真空パックに詰めて送ってくれるようなサービスを利用すれば、わざわざ容器に移さなくても、長期間の保存が可能になります。もちろん、真空パックに詰めてあっても、高温多湿の環境に置いていると劣化しやすいので、適切な保存方法でしっかり管理することを意識しましょう。 お米の常温保存は可能か 湿度の低い冷暗所に保存するのが、お米の鮮度を保つのに最も適した方法です。ただ、たとえば冷蔵庫にスペースがなくて入れられないといった場合は、基本的に常温で保存せざるを得ません。お米を常温で保存する場合は、シンクやキッチンといった水回りを避けるのはもちろん、なるべく温度変化の落ち着いた場所に置くようにしましょう。また、直射日光をなるべくあてないことも大切です。そのため、透明の容器ではなく、ホーローやブリキのような容器に入れて保管すると良いでしょう。もちろん、湿度やニオイの影響を避けるために、密閉性の高い容器である必要があります。 保存場所に関しては、電子レンジやコンロの下も温度変化が激しいので避けたほうが良いでしょう。各家庭によって最適な保存場所は変わりますから、湿気や水気のない冷暗所を見つけるのもポイントです。適切な方法で保存すれば、お米の鮮度は長く保てますが、それでも時間が経てばお米は劣化してしまいます。美味しく食べるためには、購入してからなるべく早く調理するのが秘訣です。正しい保存方法を実践しながら、お米の食べ時を逃さず美味しく食しましょう。