column

お米の賞味期限について知ろう

お米の賞味期限について知ろう

お米には賞味期限があるのかどうか、気になっている人もいるかもしれません。本記事ではそのような人々に向けて、お米の賞味期限の概要をはじめ、炊く前と炊いたあと、炊いたあとの冷蔵保存や冷凍など、場合別についても解説します。 お米に賞味期限はあるのか 賞味期限と消費期限の違い  そもそも賞味期限と消費期限を混同している人もいるかもしれませんが、両者は似ている言葉ではあるものの、それぞれが表す意味は異なるため、区別して考える必要があるでしょう。一般的に、賞味期限は袋や容器が未開封の状態、かつ、適切な保存方法で保存した場合に品質が変わらず、おいしく食べられる期間のことです。一方、消費期限は袋や容器が未開封の状態、かつ、適切な保存方法で保存した場合に、その食品を安全に食べられる期間を意味しています。なお、両者は袋や容器が未開封の状態であることが条件となっているため、開封したものに関しては、賞味期限や消費期限に関係なく、できるだけ早めに消費するほうがよいでしょう。  お米に賞味期限はあるのか  賞味期限は加工食品につけられるものであり、お米は野菜と同様に生鮮食品に分類され、気候・温度・湿度・保存方法などの条件によって状態が変わるため、賞味期限の記載は義務付けられていません。したがって、お米には明確に定められた賞味期限はないといえるでしょう。なお、対面で販売する以外のスーパーやネット通販でお米を売る場合は、 JAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適性化に関する法律)によって精米年月日の記載が義務付けられています。  精米年月日とは、玄米を精白して白米にした年月日のことで、購入日に近ければ近いほど、精米したての新鮮なお米であるということが分かるのです。ちなみに、精米されていない状態のお米の賞味期限は約1~3年といわれていて、精米されたお米より長く日持ちします。保存状態により異なりますが、よい環境下で保存すれば3年程度は保管することが可能です。  お米の賞味期限の目安  お米は気温や湿度などの影響を受けるため、季節によっておいしく食べられる期間が異なります。具体的には、春は気温が徐々に上昇することで保存環境が悪くなっていくと考えられるため、 精米から1カ月以内、梅雨から夏は気温に加えて湿度も高くなってしまい、カビが生える可能性が高くなるため、精米後3週間程度となっています。他方、秋から冬は気温と湿度が下がり、それまでの季節に比べてお米の保存がしやすくなるため、精米後2カ月以内が目安の期限として挙げられるでしょう。  なお、袋を開封している状態と未開封の状態での差についてですが、スーパーなどで購入するお米の袋には小さな空気穴が開いていて、未開封の状態でもお米は空気にさらされているため、どちらの状態でも賞味期限に差はありません。未開封の袋でもあらかじめ袋に小さな穴が開いているのは、お米の袋が輸送中の衝撃や商品陳列の際に破損しないためです。袋に穴がない状態だと、何らかの衝撃が加わったときにパンクする可能性があり、それを防ぐための工夫として穴が開けられているのです。  劣化したお米の見分け方 お米が劣化しているかどうかを見分けるためには、まず、お米の色を確認しましょう。通常、お米は白色ですが、黒色や灰色、茶色などに変色している場合は、カビや菌が繁殖している状態である可能性が高いため、劣化しているといえます。このような状態は梅雨から夏にかけて起こることが多いのが特徴です。また、お米自体を見て変色が確認できない場合でも、お米を研いだときに水が黒くなるようであれば、カビが生えている可能性が高いといえます。  このような状態であれば身体にもよくないため、食べないように気を付けましょう。ほかにも、悪臭がする場合も食べないほうがよいです。カビの匂いや酸っぱい匂いがする場合がありますが、そのまま炊いても殺菌することは難しいため、廃棄しましょう。  お米を保存する方法 お米は精米後から劣化が始まってしまうため、おいしい状態で食べるためには、なるべく1カ月以内で消費するのがオススメです。しかし、一人暮らしの場合や、一度に大量のお米を購入した場合などは、正しい方法で保存をすることで通常保存よりもお米の劣化を遅らせることができるでしょう。  お米を保存するときのポイント  炊く前のお米を保存するときは温度・湿度・直射日光に気を付けましょう。お米を保存する温度は10度以下が理想です。温度が高くなると酸化のスピードが早くなり、特に20度以上になると、コクゾウムシやノシメマダラメイガといった害虫がお米につく恐れがあります。これらの虫は食べても害があるわけではありませんが、なるべく侵入を防ぐようにしましょう。脱臭や虫よけ効果が期待できる防虫剤もあるため、それらを使用するのもよいかもしれません。  湿度については、梅雨の時期のように湿度が高くなるとお米が水分を吸い、カビが発生する可能性が高くなるので注意が必要です。一方で、湿度が低すぎる状態ではお米の水分がなくなることでヒビが入ったり、乾燥することで味が悪くなったりすることがあるため、適度な湿度を保つことが大切でしょう。また、直射日光が当たってしまうことでもお米の劣化は進んでしまうため、注意しなくてはいけません。冷暗所に入れて光を遮ることで劣化を遅らせる効果も期待できるでしょう。特に冷蔵庫は日光に当たらないだけでなく、一定の温度かつ低温を保つことが可能なため、お米の保管に適しています。  なお、袋に入った状態のお米を冷蔵庫で保管する場合は、ほかの食材の匂いがつかないように気を付ける必要があるでしょう。お米の袋には穴が開いていて、そこから匂いがつく可能性が高いため、匂いの強い食材の近くには置かないことを心がけてみてください。ほかにも、密閉性の高い容器に入れて保管することも、お米の劣化や害虫の侵入、カビの発生などを防ぐために効果的です。手軽に収納したい場合はペットボトルやジッパーなどを活用しましょう。機能性やデザイン性を重視したい場合は米びつを利用するとよいです。計量機能が付いた機能性の高いものや、見た目がおしゃれなものなどさまざまな種類があるため、求める条件に合ったものを選ぶとよいでしょう。  お米を容器に入れて保管する場合は、途中で継ぎ足さないように気を付ける必要があります。容器内には古いお米以外にもホコリなどが入っていることもあるほか、古いお米には虫がわきやすいという特徴があるのです。そのため、なるべくよい状態のお米をキープするためにも、容器に入っているお米を使い切って、中を掃除してから次のお米を補充してください。  炊いた後のお米の保存について  これまでは炊く前のお米の保存ポイントについて紹介しましたが、ここからは炊いたあとのお米の保存方法と賞味期限について解説します。まず、炊いたご飯を常温で保存する場合についてですが、基本は常温での保存は長くもたないので、なるべく避けたほうがよいでしょう。特に夏は温度が高く、食材が腐りやすい季節でもあるので常温保存はしないほうが安全です。それ以外の季節であれば、すぐに食べるのであれば常温の中に置いておいてもよいですが、直射日光を避けて、なるべく涼しいところに置くようにしましょう。賞味期限は春と秋は1~2日、冬は2日ほどです。  次に冷蔵での保存についてですが、冷蔵保存自体は可能であるものの、食感や味が悪くなってしまうため、保存方法としてはあまり適していません。しかし、保存期間は3日ほど可能であり、常温よりは長持ちするため、日持ちを優先したい場合は、冷蔵保存でもよいかもしれません。冷蔵保存する場合は、容器やラップに盛って、粗熱をとってから冷蔵庫に入れましょう。他方、冷凍保存はご飯をおいしい状態で保存することが可能です。賞味期限も1カ月ほどもつでしょう。冷凍保存する場合は、炊きたてのご飯をラップに1回分ずつ包んで、粗熱をとってから冷凍庫に入れます。炊きたての温かいご飯をラップで包むことで、解凍したときにふっくらとした食感を楽しめるでしょう。  炊飯器で保存する場合  炊いたご飯を炊飯器で保存する場合は、保温モードを切って常温で保存するケースと、保温モードをオンにして保存するケースに分けられます。前者の場合は、炊飯器からご飯を取り出して常温保存した場合と賞味期限はほとんど変わらないでしょう。冬は2日程度、夏は1日でも難しくなります。そのため、なるべく長く保存したいのであれば、常温保存ではなく、冷蔵庫もしくは冷凍庫に入れるようにしましょう。一方、後者の場合は、メーカーや機種によっても保存可能な期間は異なりますが、一般的には24時間と考えておくとよいです。おいしい状態で食べるためには、6時間程度までだといわれています。  なお、保温モードを利用すると炊飯器の中の温度は約70度に保つことができ、腐る原因となる細菌は60度以上では増殖しないため、常温より長くもつでしょう。しかし、保温のまま置いておくと、徐々にお米に含まれている水分がなくなり、食感が悪くなるだけでなく、見た目も黄色っぽい状態に変化してしまうのです。腐りはしなくてもおいしさは減ってしまうため、なるべく炊きたてを食べるか、早めに小分けにして冷蔵庫保存にするとよいでしょう。  炊いたご飯が腐った場合の見分け方  炊いたご飯が腐った場合は、ご飯をつまむと糸を引いたり、悪臭がしたりするため、食べる前に気付くことが多いでしょう。少し粘り気があるものの、腐っているかどうか分からない場合は、一度温めてから匂いを確認すると、腐っていれば悪臭がするため、分かりやすくなります。腐ったご飯を食べると、場合によってはおなかを壊すなど、体調不良を引き起こす可能性もあるため、なるべく食べないようにしましょう。特に免疫力が少ない子供や高齢者は体調を壊しやすいため、気を付けなくてはいけません。

お米は体にいいの?お米を食べて得られる10の驚くべき健康効果

お米は体にいいの?お米を食べて得られる10の驚くべき健康効果

お米を食べるのは健康的であることを知っている人は多くても、具体的にどんなメリットがあるかは、ほとんどの人が知らないかもしれません。正確な効能は知らなくても、一つだけ確かなことは、お米はおいしいということです。お米は、肉、魚、豆腐、野菜など、何とでも合わせて食べることができます。この記事では、お米を食べることで得られる10の健康上のメリットをご紹介します。 お米の健康効果 日本でお米を食べるのが嫌いという人はあまりいないでしょう。特に、ヘルシー志向の人や、高品質で高タンパクなお米を食べるのが好きな人には、たまらない食品です。お米の主な健康効果を10個見ていきましょう。 1、自然な抗炎症作用とグルテンフリー お米はおいしいだけでなく、グルテンフリーでもあります。グルテンフリーの穀物として最も人気があるのは、お米です。セリアック病を患っている人にとっては特にそうです。お米には自然な抗炎症作用があるので、体に良い影響を与えてくれます。パスタ、ピザ、パン、お菓子など、小麦を使った食品のほとんどには、グルテンが含まれています。グルテンに過敏な方でも、お米なら安心して食生活に取り入れることができます。グルテンフリーなので、腸内で炎症が起こることもありません。体内の炎症を抑える方法を常に模索することが重要です。どんな食事にも適しているお米は、その大切なプロセスに役立ちます。 2、神経系の健康を改善 お米は、神経系を完璧にサポートしてくれます。私たちの体の神経系は、さまざまなビタミンB群によってスムーズに機能しています。様々な種類のビタミンB群は、神経伝達物質の生成を助けます。神経伝達物質は、生物学的プロセスを調整するのに役立ちます。お米は、さまざまなビタミンB群の素晴らしい供給源です。米にはビタミンB群が豊富に含まれているので、お米を食べることで神経系の健康状態を改善することができます。  3、良質なエネルギー源 疲れがたまっていると感じたら、玄米や白米を食べましょう。私たちの体は、燃料となる炭水化物を必要としています。炭水化物が体内に入ると、体はその良質な炭水化物をエネルギーに変えようとします。しかし、お米に含まれる健康的な炭水化物は、エネルギーに変わるだけではありません。脳がこのエネルギー源を利用することで、脳の機能を正常に保つことにもつながります。また、お米に含まれるミネラルやビタミンなどの成分は、体の各器官の代謝活動を活発にします。このようにして、私たちの体はエネルギーレベルを高めることができるのです。 4、利尿作用と消化促進作用。便秘を防ぐ 消化器系のトラブルに悩まされていませんか?お米を食べることで、消化器系を整えることができます。生の米ぬか28gには、6gの食物繊維が含まれています。お米の食物繊維は、便通を促し、消化器系を整えるのに欠かせません。また、米には天然の利尿作用があり、体内の水分を排出する働きがあります。これは高血圧などの人には有益です。体内の水分を排出するということは、排尿の回数が増えるということであり、尿酸の排出を助け、さらにはダイエットにも効果があります。ただし、体内の水分をより多く排出することになるので、体内の水分をきちんと補給するようにしてください。 5、がんのリスク軽減に役立つ お米のような食物繊維の多い食品を摂ることで、がんになる可能性を低くすることができます。お米の食物繊維は、消化を助け、血圧を下げる効果があります。その結果、体全体が健康になるのです。消化管が健康であれば、体内の老廃物が長時間滞留することもありません。老廃物の流れを良くすることで、老廃物が体内の健康な細胞に与える影響が少なくなり、大腸がんなどの予防にもつながります。米にはビタミン類も豊富に含まれています。これらのビタミンには、ビタミンAやビタミンCなどの抗酸化物質が含まれており、体内のフリーラジカルを除去するのに役立ちます。 6、肥満を防ぐ  スリムになりたいと思っていても、どのような食品を取り入れたらよいかわからないという人は少なくありません。そんなときは、ヘルシーなお米を食べましょう。お米は、ナトリウム、脂肪、コレステロールの含有量が少ないので、肥満の解消に効果的です。栄養素も豊富で、健康への影響もほとんどありません。もちろん、食物繊維も多く含まれているので、肥満解消に役立ちます。 7、美容効果でスキンケアにも使える お米は、意外にもスキンケアに適しています。お米のスキンケアは、外用と食用の両方があります。局所的に使用する場合は、お米を粉末状にして肌に塗ります。炎症を起こしている肌には、このパウダーが炎症を抑える効果があります。また、他の皮膚疾患の治療にも使用されます。お米の水は、お米を使ったスキンケア方法のひとつであり、炎症を起こしている肌を冷やすために使われます。玄米はフェノール化合物を含んでいるため、より頻繁に使用されます。フェノール化合物は、肌の赤みを抑え、炎症を鎮める働きがあります。また、お米に含まれるすべての抗酸化物質は、肌に影響を与える老化プロセスを遅らせて美肌を保ち、シワが現れるのを遅らせます。 8、良質なたんぱく質の源  菜食主義の生活をしていますか?もしそうなら、お米は必要なたんぱく質の良い供給源となります。白米でも玄米でも、高タンパクのお米を食べれば、常に運動をしていたり、ベジタリアンとして食生活を続けていたりする場合に、必要なタンパク質レベルを保つことができます。高タンパクでありながら、ベジタリアン向けの食品を探すのは、簡単なことではありません。高タンパクなお米は、他の高タンパクなビーガン・ベジタリアン食品を補うのにおすすめです。 9、心臓の健康を促進する お米を食べることは、心臓の健康を改善するのにも役立ちます。前述のように、お米には天然の抗炎症作用があります。その抗炎症作用により、血管壁内の動脈硬化性プラークの沈着率が低下します。これにより、心筋梗塞や脳卒中などの重篤な心臓疾患のリスクが減少します。玄米にも白米にもこのような効果がありますが、玄米の方がより効果的です。これは、玄米には栄養素のほとんどが含まれている籾殻が含まれているからです。米ぬか油も、心臓の健康を促進する優れた食品です。米ぬか油には抗酸化作用があり、体内のコレステロール値を下げ、最終的に心臓血管の健康を促進します。 10、血糖値と血圧のコントロール 高血圧で悩む人も少なくありません。血圧をコントロールするための自然な方法を探すなら、お米を食生活に取り入れることを検討してみてはいかがでしょうか。 血圧をコントロールする 高血圧症の方は、お米を食べることで高血圧症を改善することができます。お米にはナトリウムがほとんど含まれていません。ナトリウムは動脈や静脈を収縮させることで知られています。ナトリウムは動脈や静脈を収縮させる働きがあり、心臓血管系への負担が大きくなり、血圧が上昇します。長期的には、ナトリウムが心臓に影響を与え、複数の心臓病を引き起こす可能性があります。減塩食を心がけることで、これらのリスクを軽減することができます。 血糖値を下げる お米には血糖値を下げる作用もあります。玄米も白米も血糖値を調整する働きがありますが、玄米のほうがより効果的です。玄米は、もみ殻に含まれる食物繊維が多いため、ブドウ糖の体内への吸収を遅らせる働きがあります。このようにブドウ糖が体内に吸収されるのを遅らせることで、体内のインスリンがブドウ糖を適切に体内に分散させる時間が得られます。 お米を安全に食べる お米には2つの食品安全上の問題があります。1つはセレウス菌で、冷やさないと米やその他のでんぷん質の食品の中で増殖します。セレウス菌は吐き気や嘔吐を引き起こすため、残ったご飯を食べるのは安全ではないと言われています。残ったご飯を速やかに冷蔵し、台所の衛生状態を正しく保つことが大切です。お米にまつわる2つ目の危険は、米粒に含まれるヒ素(毒性の強い化学物質)です。砒素は地殻の中に存在します。肥料や農薬で汚染された土壌や地下水は、ヒ素の濃度を高めます。米は水の中で育つため、他の穀物よりもヒ素が蓄積されます。お米を洗って余分な水を使って炊くことで、お米のヒ素を減らし、安心して食べることができます。 お米の炊き方...

お米は鮮度が命!新鮮なお米の条件と鮮度を保つ方法

お米は鮮度が命!新鮮なお米の条件と鮮度を保つ方法

お米には賞味期限の表示義務がありません。そのため、基本的にはいつ食べても問題ないとされています。ただ、お米にも美味しく食すことができる「食べごろ」があります。そして、「食べごろ」を考えるうえで、キーワードになってくるのがお米の鮮度です。それでは、鮮度の良いお米とはどのようなお米のことをいうのでしょうか。今回は、美味しいお米の条件に挙げられる鮮度について考えてみます。 精米日から起算するお米の鮮度 お米は稲から収穫される植物の一種です。食品の分類としても、お米は野菜と同じ生鮮食品に分けられます。生鮮食品は、何より鮮度が命です。新鮮な野菜は、日が経った野菜より美味しいものですから、同じ生鮮食品のお米にも同様のことがいえます。しかし、野菜は鮮度を気にして購入することが多い一方、お米の鮮度を気にして選んでいるという人はあまりいないのではないでしょうか。 確かに、お米の鮮度は判別しにくい側面があります。粒を見るだけではわかりにくいですし、賞味期限も書かれていないので、鮮度が良いのかどうか判別するのは容易ではありません。ただ、お米のパッケージをよく見ると、精米日という日付が書かれていることがわかるはずです。精米日とは、米ぬかを取り除く精米という作業を実施した日のことです。 精米前と精米後のお米はどちらが長持ち? 精米前のお米を玄米といい、玄米には胚芽部とぬかがそのまま付いています。玄米のまま食べることもできますが、食感としてはややパサつきがあり、栄養価は高い一方で白米より甘みや風味は劣るとされます。しかし、胚芽部とぬかは、お米にとってバリアのような働きをするため、一般的に精米前のお米は精米後より長持ちです。精米後のお米と比べて、精米前は1年程鮮度を長く保てるとされています。 精米後のお米は傷みやすい 一方、精米後のお米は、バリア機能を果たす胚芽部もぬかも取り除かれた状態です。空気に触れる白米の面積が大きくなるので、空気に触れた部分からお米は徐々に酸化してしまいます。お米は野菜と同じ生ものですから、米袋の開封・未開封に関わらず、時間が経つほど酸化によって鮮度が落ちていきます。 お米の鮮度が保たれる期間 精米後のお米は、どれほどしっかり保管していても酸化を免れることはできません。そのため、精米されたお米を購入したら、なるべく早く消費するのが美味しく食べる秘訣です。目安としては、精米日から1カ月程度が基準となります。もちろん、保存方法にもよりますが、1カ月以内なら鮮度の良い美味しいお米を食べられるはずです。 ただし、お米の鮮度は温度や湿度に大きく影響を受けます。そのため、夏場と冬場で美味しく食べられる期間は変わってきます。高温多湿な夏場は、精米日から2~3週間程度で傷んでしまうことも珍しくありません。一方、冬場は気温が下がり、湿度も低いので2カ月程度は鮮度が保たれるとされます。このように、お米は環境や保存方法によって保存期間が変わってきます。お米に賞味期限の表示義務がないのも、気候や湿度、保存の仕方によって美味しく食べられる期間が変わってくるからです。 お米が一番美味しいのはいつ? 野菜や魚といった生ものは、採れたてが一番美味しいとされます。収穫や採取した直後に調理して食べれば、食材本来の味が活かされ、最も美味しい状態で食品を楽しむことができるでしょう。お米も野菜や魚などの生ものと一緒です。精米した直後のお米は鮮度が高いので、精米してすぐに食べるのがお米を最も美味しく食べる秘訣です。お米を選ぶ際も、パッケージに記載されている精米日を基準に購入すると、そのお米が新鮮かどうか判断することができます。 また、お米にも旬の時季があります。特に9月から10月にかけては新米の収穫がピークを迎える時季なので、この時季をお米の旬と呼ぶことが多いです。ただし、お米の栽培方法や収穫時季は地域によって異なりますし、お米の品種によっても旬は変わってきます。ですから、新米の時季がお米の旬というのは、あくまで目安として覚えておく程度にしておきましょう。 お米は9~10月だけではなく、2~3月頃も美味しいといわれています。この時季になると、新米が追熟してきます。追熟とは水分や甘さ、香りが落ち着いて深みが出てくることです。バナナやメロンなどのフルーツにも追熟がありますが、お米にも同じ現象が起きるので、この時季に精米されたお米を食べてみるのも一興といえるでしょう。 ただし、収穫から時間の経った古米は、新米に比べて精米後の劣化が早いといわれています。玄米の状態で保存していても、お米は呼吸しています。そのため、貯蔵期間が長くなった古米は、呼吸が増えてお米に含まれる有利脂肪酸が増え、いわゆる古米臭がするようになってしまうのです。古米を精米して食べる際は、新米より食べごろの時間が短い傾向があるので、短期間で食べきれる量だけ買ってすぐに食べてしまうのが美味しく食べるコツです。 鮮度を長く保つお米の保存方法 お米は精米直後が一番美味しいので、購入したらすぐに食べるのが美味しく食べる条件のひとつです。ただ、お米は一定の量を一気に購入することが多いので、精米直後に購入したお米をいっぺんに食べ切ってしまうことは難しいでしょう。残った分を自宅で保存する場合、保存方法によってお米の鮮度は大きく変わってきます。ここでは、お米の鮮度を保つ保存方法について見ていきましょう。 高温を避けて保存する お米は温度変化に弱い食品です。特に気温の高い環境はお米にとって大敵です。22℃以上の環境にお米を置いておくと、お米の劣化が早まってしまうともいわれています。また、高温だと虫が発生しやすく、粒に卵が産みつけられ、孵化した虫がお米の栄養を食べてしまいます。お米の保存に最適な温度は10~15℃程度といわれているので、お米を保存する際は温度管理に気を付けて保管しましょう。 湿度が低い場所で保存 温度だけではなく、お米は湿度に対しても敏感です。シンク下やキッチン周辺など、水回りにお米を保管している人も多いでしょうが、水回りは湿気が多いのでお米も傷みやすくなってしまいます。湿度の高い場所に保管しているとカビが生えて食べられなくなってしまうこともあるので、お米はなるべく水回りから遠ざけた湿度の低い場所で保管するのが鉄則です。 保存容器に入れて保管しよう 保存の際にお米の鮮度を著しく悪化させてしまうのが空気です。空気に触れたお米は酸化しやすく、味や風味が落ちやすくなってしまいます。酸化を防ぐためにも、お米は密閉性の高い保存容器に入れて保管しましょう。保存容器はジップロックやタッパーなどでも十分です。口がしっかり閉じられる容器で、かつ小分けにして保存できると取り出しも便利なので、お米を研ぐときも楽です。 保管場所は冷蔵庫がおすすめ 高温多湿を避けて保管するなら、冷蔵庫はお米を保存するのに適した環境だといえます。特に冷蔵庫の野菜室は温度が3~7℃程度に保たれており、湿度も低いのでカビが発生するなどの心配もほとんどありません。直射日光が当たらない冷暗所でもあるので、お米の鮮度を保つのに適しています。ジップロックやタッパーなどの保存容器を使えば、重ねて入れることもできるため、小さい冷蔵庫でも無理なく保管することができるでしょう。 美味しいお米を食べたいなら!鮮度の高いお米を直接取り寄せる お米は精米日から少しずつ劣化していきます。スーパーなどに売っているお米は、精米日から日が空いている商品も少なくありません。鮮度を考えた場合、スーパーなどから購入したお米だと、本当に美味しいお米を食べるのは難しいといえるでしょう。もし、新鮮で美味しいお米を食べたいなら、産地直送など、お米を直接取り寄せるのが最も確実な方法です。直接取り寄せたお米は、基本的に注文を受けてから精米されるので、鮮度の高い状態で消費者の手元に届きます。 農家や専門業者が保管しているお米は、精米する前の玄米の状態です。しかも、きちんと湿度や温度が厳格に管理された環境で保管されているので、新米でも古米でも非常に保存状態が良く、精米した直後のお米はとても新鮮です。実際、農家の人が食べているお米と、一般に流通しているお米は水分の含有量が2%ほど違うとされています。そして、精米から時間が経つほど水分の含有量は減少していきます。そのため、実際に流通しているお米は、水分の含有量がもっと低めです。 お米は水分が失われると乾燥し、ひびが入って割れた部分から風味が逃げてしまいます。また、酸化によってアミラーゼという酵素がうまく働かなくなり、でんぷんやタンパク質が十分に分解できなくなります。その結果、お米から甘みが減退し、ふっくらした炊き上がりやもちもちした食感も失われてしまうのです。だからこそ、なるべく農家や専門業者から直接取り寄せたほうが、みずみずしくて美味しいお米を食べることができます。...

お米の歴史は3000年以上前からはじまった!

お米の歴史は3000年以上前からはじまった!

日本人にとってお米は主食として日々の食事に欠かせないものといっても過言ではないでしょう。食事も西洋化されてきているとはいえ、和食が中心という人は多いようです。そこで、本記事ではお米の歴史に注目して解説します。 日本のお米の祖先は中国 日本では農家でお米の生産をしている家庭も多く、専業農家以外にも一般的な仕事と農業を兼業している兼業農家も存在しています。スーパーやコンビニなどお店へ足を運ぶと、お米コーナーが設けられているのを見かけることが少なくありません。種類も豊富で、艶があるもの、甘いもの、ふっくら大粒のものと好みによって選ぶことができるのも飽きない理由のひとつになっているようです。しかし、お米は元々日本にあったのではなく、外国から伝来したものでした。 お米が最初に生産されるようになったのは今から6000年ほど前のインド、アッサム地方だったといわれています。やがて、インドから西南アジアや西アジアへと伝わり、アフリカを経由して5000年前に中国に伝わりました。日本にお米が伝わったのは3000~2000年前、縄文時代末期頃のことです。中国の長江下流域から九州に、あるいは中国から朝鮮半島に伝わり、そこから日本に伝来したという説などがあります。 それ以前の日本では、どんぐりなど木の実、ひえ、アワが主食でした。日本各地の縄文時代の遺跡には、地下に穴を掘って作った貯蔵庫の中から木の実が大量に保存された状態で見つかっています。お米が日本に伝わった後、弥生時代には水田稲作によってお米の生産量が増えたことから人口も増加しました。縄文時代、日本の総人口は最大でおよそ約27万人、お米を主食にするようになった弥生時代になると3倍近い約60万人だったことがわかっています。 日本人は赤米を食べていた 日本では白いお米が当たり前のように食卓に出てきますが、実は日本に伝来したばかりの頃は赤米だったといわれています。白米が生産されるようになったのは奈良時代以降で、それまでは赤いお米が主流でした。しかし、気候による悪影響を受けにくい赤米は白米が生産されるようになってからも、江戸時代頃まで多く生産されていたことがわかっています。赤米はその名のとおり赤いお米のことですが、しっかり精米すると白米になるので見た目では変わりません。赤米は古代米と呼ばれており、白米よりたんぱく質、ビタミン、ミネラルといった栄養素を多く含んでいることがわかっています。そのため、あえて白米ではなく、赤米を健康食として食べている人もいるようです。 赤米は白米に比べてパサパサとした食感で味が劣り、種もみが落ちやすいことから育てるのが困難な部分もあります。ただ、もともと陸で栽培されていたお米なので水田でなくとも育ち、約3カ月という超早生な点から伝来した頃の人々にとっては扱いやすいものだったといえるでしょう。弥生時代では住居の中に複数の大きめの石を使っていろりを作り、そこにお米と水を入れた土器を乗せ、直接火にかけて炊いていました。地面に穴を開けて土器を挿し、周囲に火をおこして炊くといった方法もあったようです。蒸したり、雑炊にしたりするのが赤米の主な食べ方で、木製のスプーンを使用していたこともわかっています。 赤米は神事の際に神に捧げられていたことから、日本ではおめでたいことがあったときに赤飯を炊く習慣があります。ごはんをわざわざ赤いあずきとともに炊くのは、赤米に似せるためです。お米を年貢として納めるようになると、白米より価値が低いと判断されて赤米を作る量は激減しています。明治時代になると国が白米作りを推奨するようになったので、ますます赤米を見る機会は減っていきました。当時、赤米を栽培していたのは九州の一部や小さな島々のみです。 お米を制する者は日本を制す 稲作は1度に大量に収穫することができるため、3世紀頃には貧富の差が大きくなっています。お米をより多く生産している者は高収入と権力を持つようになり、お米を巡る争奪戦が繰り広げられるようになりました。飛鳥時代では朝廷から国民にお米を育てるための土地が与えられ、もみ米を税金として納めるように命じています。6歳以上の男子は約2400平方メートル、女子は1600平方メートルの国有田を担当し、稲作をする必要がありました。 もみ米とは玄米になる前の状態で、収穫したてで黄色い殻がまだついているものです。もみ米はお米の種なので、そのまま土に植えれば、また新たなお米を作ることができます。しかも、殻は硬く、乾燥・暑さ・寒さなど気候、虫やカビなどの影響を受けにくいのが特徴です。そのため、長期保存にも向いています。実際、この当時は種もみを直接田に撒き、実ったら穂の部分のみを収穫するというやり方が一般的でした。時代の流れとともに、稲作は種もみを発芽させて15cmほどに育った苗を植え、実ったときには根元からすべて刈り取るように変化しています。 奈良時代になると、いよいよお米による権力差が大きく目立つようになります。開墾した本人が永久にその土地を所有できる開墾田のはじまりです。その結果、田の国有化から国による支配を受けない荘園が急速に広まっていきました。自分で開墾すればすべて自分の土地になるのですから、収入が増えれば人を雇って開墾を進め、お米の収穫量を増やして財を成すの繰り返しです。しかし、お米を税金として納める制度は江戸時代末期まで続いており、明治初期から土地収益から算出した地価をもとに税金が計算されるようになっています。ただし、この時点では地主が小作人からお米で納税してもらう制度は依然として継続していたため、貧富の差がなくなることもありませんでした。 お米とおかずを分けて食べる食文化の誕生 日本で稲作が浸透した理由のひとつは、お米づくりに必要な条件と日本の気候がマッチしたことにあります。雨がよく降る梅雨、雨が少なく、気温が上昇する夏、この2つはほかの稲作農業が盛んな国の気候と共通する部分です。さらに、長期間の保存が可能で味もおいしいため、人気を得たといえるでしょう。縄文時代から弥生時代にかけて人口増加が加速したことからもわかりますが、お米は栄養価が高く、栄養不良も予防できます。 日本のお米はジャポニカ米というもので、丸っぽい形をした米粒で粘り気があり、甘めなのが特徴です。何も味付けをしなくてもおいしいことから、飛鳥時代頃に和食という食文化が生まれたといわれています。弥生時代にはすでにごはんとおかずを分けて食事として出しており、お米を主食に貝や魚、山菜、キノコ、肉などをおかずとして食べていました。お米とおかずをバランスよく摂取することができたため、日本人の身体も著しく発達しています。 天武天皇によって肉食禁止令が発布されるまでは動物を狩り、その肉を食べていましたが、この法律によってそれはできなくなってしまいました。そのため、動物の肉ではなく魚、さらに大豆や米からたんぱく質を摂取するようになったものの、これらはそのまま食べるには味が薄く、物足りないことから出汁を使って味付けをする文化が誕生しています。これによって、ごはんとおかずの区別がしっかりとつくようになったといえるでしょう。また、食事の見た目にもこだわるようになったのもこの頃です。平安時代には人をもてなすための料理が振舞われるようになり、安土桃山時代には茶道の発展とともに懐石料理も生まれています。1日3食に分けて食事をするという習慣が定着したのは江戸時代頃だったとされています。 さらに、日本人だけではなく、世界的に人気が高い握り寿司や巻き寿司もお米を使った料理ですが、こちらも江戸時代頃に考案されました。それ以前は、フナ寿しのようなものが食されています。フナ寿しは内臓を抜いたフナを長時間塩漬けにしたものをごはんとともにさらに漬け、馴れさせたものです。 お米農家の人口が減少している日本 農林水産省の「令和2年産水稲の作付面積及び予想収穫量(10月15日現在)」では、日本のお米の自給率は毎年減少傾向にあることがわかっています。主食として生産されている水稲の作付面積が平成20年には約160万ヘクタールありましたが、令和2年では約137万ヘクタールと23万ヘクタールも減少しました。これは日本の1人あたりの米消費量が最も多かったのが昭和37年で、それ以降は減少の一途を辿っていることが原因のひとつです。事実、昭和37年当時の1人あたりの米消費量が年間118kgだったのに対し、平成30年は53.5kgと半分以下にまで減っています。 また、農業をしている人口の約70%が60代となっており、若者の都市部への流出が大きな要因となっていることも稲作農家の減少につながっているといえるでしょう。日本でもさまざまなものがIT化される時代になり、将来的な需要もあると考えられています。そのため、若者の目も自然とそういった職業に向けられる傾向があります。稲作農家は身体を使った肉体労働の面が強く、自然災害などでせっかく栽培していた稲の多くが収穫できない状態になるケースもないとはいえません。そのため、苦労をしても安定的な収入に結びつかないのではという不安が大きいことも農業離れの原因になっているようです。 こういった現状から、日本では稲作農家を増加させるためのさまざまな工夫が行われています。たとえば、耕作者がいない土地を借り受け、その土地を農地として活用する人に貸し付ける農地バンクもそのひとつです。ほかにも、農家として法人化したり、経営拡大による生産効率のアップ(=利益率アップ)をしたりと安定した収入を得るためのアドバイスもされています。将来的には、農業にICT技術を導入することも予想されており、若者が自身の技術を有効活用できる場面も増えていくでしょう。 現状として、ハウス栽培では施設内の環境を一括管理できるシステムが導入されたり、クラウドシステムを導入して農業用機械と連動させることで作業効率を上げたりといった取り組みが行われています。市街地に在住しながら、郊外の農地を借りて稲作をする通勤農業という形も生まれました。今後稲作農業に携わる人が増加することが望ましいですが、人手不足のなかでも効率的に生産できる仕組みを作っていくことが期待されています。

自分を大切にしたい人におすすめのお米「五穀米」

自分を大切にしたい人におすすめのお米「五穀米」

生活習慣病などの影響によって健康意識が高い人が増えています。オーガニック野菜、産地のこだわりなど、こだわるポイントは人によって異なりますが、自分の体を大切にしようとする意識は幅広い人々の間でひろがっているようです。そのなかで毎日食べるお米を五穀米にする人が右肩上がりとなっています。そこで、今回は健康志向の人に大注目されている五穀米に焦点をあてて解説します。 五穀米は雑穀を組み合わせた栄養たっぷりのお米 一般的に、五穀といえばお米、麦、キビ、アワ、豆という5種類を組み合わせたものを指します。五穀米の組み合わせの定義はなく、好みの味や食感によってほかの雑穀も混ぜるなど組み合わせを自由に変える人も少なくありません。白米と混ぜてから炊いたときのほんのりと感じる白米の甘味、雑穀の香ばしさが特徴であり、魅力です。それぞれの雑穀について詳細を見てみましょう。 五穀米に配合されるお米の種類はさまざま 市販で五穀米に配合されているお米は白米以外にも、発芽玄米や古代米と呼ばれている黒米・赤米があります。発芽玄米は玄米を発芽させたもので、玄米より消化しやすく、胃腸にやさしいというのが特徴です。栄養面では代謝を促進するビタミンB1やエネルギー代謝をするマグネシウム、タンパク質を作るために必要なビタミンB6、血圧抑制やリラックス効果が期待できるGABAなど栄養がたっぷり含まれています。 古代米は日本古来から日本人が食べていたお米です。黒米は抗酸化効果があるアントシアニンが豊富に含まれており、眼の老化防止や血流改善、アンチエイジングなどの効果があるといわれています。赤米は、ポリフェノールの一種であるタンニンが豊富です。そのため、高い抗酸化効果腸の収れん作用があることから下痢症状の改善も期待できます。 五穀米に含まれていることが多いもち麦や大麦 もち麦は水溶性食物繊維が豊富なので、体内の余分な脂肪、コレステロール、塩分などを吸収して体外へ排出します。便秘解消、美肌のほか、血糖値の上昇を抑制するのでダイエット時の強い味方です。大麦は加工されると丸麦、押麦・胚芽押麦、米粒麦になります。白米と混ぜるのであれば、形が似ている米粒麦が馴染みやすいでしょう。不溶性と水溶性の食物繊維がバランス良く含まれており、その含有量は白米のおよそ17倍です。もち麦と同じく、血糖値の上昇抑制、コレステロールの吸収、便秘解消などに効果的とされています。 低カロリーで栄養たっぷりのキビ さまざまな雑穀があるなかで、キビは最もカロリーが低いものです。キビといえば、キビだんごがよく知られています。パントテン酸や葉酸、ナイアシン、ビタミンB1・B6、マグネシウム、亜鉛、銅、鉄、リン、カリウムなど栄養の宝庫で、風邪予防に効くとして薬膳に使用されることも多いです。キビは弾力があって香ばしい高キビ、モチモチしていて卵に似た味がするもちキビの2種類があります。 貧血や動脈硬化などの予防にはアワ アワは、ねこじゃらしとして知られているエノコログサがルーツといわれています。日本ではお米より先に伝来し、縄文時代頃にはすでに栽培されていました。うるちアワともちアワの2種類がありますが、五穀米に加える場合はさっぱり味でプチプチとした食感のうるちアワのほうが向いています。食物繊維が豊富で、鉄、ビタミンB1、カリウム、マグネシウムなどミネラルも多く含まれているのが特徴です。食べると善玉コレステロールを増やす働きがあるので、動脈硬化の予防にも良いでしょう。 血液をサラサラにする豆 五穀米に配合されている豆は、黒豆や小豆が有名です。どちらもサポニンの含有量が多く、血中コレステロールの調整をして血液がサラサラになる働きをします。また、黒豆は良質なタンパク質や食物繊維がコレステロールの抑制、アントシアニンやビタミンEの強い抗酸化作用で美肌やアンチエイジングに効果的です。小豆に含まれているビタミンB1は冷え性の改善、カリウムが高血圧予防が期待できます。 五穀米のおいしい炊き方!少しの工夫で味が変わる 五穀米は5種類の穀物を混ぜ合わせたごはんなので「炊き方が難しいのでは」と心配になる人もいるようです。実際には、炊き方自体はシンプルで簡単なので、どなたでもすぐに五穀米を楽しむことができます。 基本はやっぱり白米 五穀米を炊く場合でも、基本となるのは白米です。正確に量り、まずはお米に付着しているヌカやホコリなどを除去するために水ですすぐことからはじめましょう。すすぎは数回行いますが、最初にすすいだ水はすぐに捨てます。これはお米は水分を吸収するので、ヌカやホコリなどが混ざった汚れたお水を吸収しないようにするためです。2回目のすすぎでは、軽く水の中でお米をかき混ぜてから水を捨てます。すすぎの回数は精米からの期間や水の濁り具合を見て決めるのがおすすめです。精米から日数がたっていたり、2回すすいでも水が白っぽかったりする場合は、1回分多めにすすぐほうが良いでしょう。 水を捨てたら、お米をやさしく手早くとぎます。20回前後かき混ぜるようにといだら完了です。お米は繊細で、強い力でといでしまうと割れて炊きあがりがべたついてしまいます。次にお米が埋まる程度の水を入れ、2~3回ほどかき混ぜてから水を捨てるという作業を2回繰り返しましょう。炊飯器に水を切ったお米を移し、適量の水を加えます。 五穀米を加えて、いよいよ炊飯 五穀米はパッケージに指定されている量を加えるのが基本ですが、好みで量を減らしても問題ありません。適量より増やすと、個人差があるものの、おなかが緩くなるといった症状が出る可能性もあるので控えたほうが無難です。お米と軽く混ぜ合わせたら、炊飯器でいつもの時間炊きましょう。炊けた五穀米をしゃもじなどで軽くかき混ぜて蒸気を飛ばします。五穀米が全体に混ざるようにしゃもじで十字に切って4つのパーツに分け、それぞれを下からすくい上げるようにほぐせば完成です。 電子レンジで五穀米を炊くには 五穀米は炊飯器で長時間保存していると変色したり、独特のにおいがついたりするケースが多いため、食べきれなかった分はラップに包むなどして冷凍保存するのがおすすめです。もし、毎回炊きたての五穀米を食べたいという場合は電子レンジを使うのもひとつの方法になります。用意するのは耐熱ボウルとお湯、ラップのみです。事前にお米を0.5合の場合で5~10分、1~2合では30分以上吸水し、耐熱ボウルにラップをかけて電子レンジへ入れます。その際のポイントは、ラップの両端に隙間を作っておくと蒸気でごはんがべたついてしまうことも可能です。 1人前05合分(水は110~120cc)ならば200wで15分、1合分(水は220cc)は500wで5分、2合分(水は450~480cc)は500wで10分加熱後に150~200wで10分加熱しましょう。炊けた後もすぐに電子レンジから出さず、10分前後蒸らし時間を置くとよりおいしく出来上がります。また、吸水させるときには水ではなく、お湯を使用するのもポイントです。お湯のほうがお米の吸収率が高く、ふっくらと炊きあがります。さらに、料理酒を小さじ2分の1加えてから炊くと甘味が強まり、芯も残りにくくなるので試す価値ありです。電子レンジは炊飯器と比較して慣れが必要ですが、片付けの手間もかからないので少量だけ炊きたいというときには便利でしょう。 五穀米は1日何杯まで? 1日3食食べている人であれば、3食すべて白米という場合もあるかもしれません。茶碗1杯分(150g)の白米のカロリーは約252kcal、3杯食べると756kcalとなります。30代を例に挙げると、1日に摂取しても良い炭水化物は男性1325~1722kcal、女性1000~1300kcalです。炭水化物自体は白米以外からの摂取もあるため、白米であれば1食で茶碗1杯分が適量といえます。ただ、1日の運動量が多い日などは、3食のうち1食で2杯食べても問題がないでしょう。 五穀米のカロリーは白米より少なめ 五穀米の茶碗1杯(150g)あたりのカロリーは約232kcalで、1食1杯分を3食食べると696kcalです。白米より60kcalほどカロリーが少なめということがわかります。白米と同様に30代の例を挙げると、五穀米のみでいえば、男性は1食で2杯分、女性は1食1.5杯分ほど食べても良いという計算です。ただ、五穀米以外にもおかずを食べるので、それより少し控えめに食べるほうが無難といえます。 五穀米を食べ過ぎてしまうとどうなるのか おいしいものを食べると幸せホルモンと呼ばれているセロトニンが多く分泌されるため、リラックスできる人も多いようです。ただ、食べ過ぎは健康を損ねることがあるので、適量を工夫して食べるのがおすすめです。五穀米にはさまざまな穀物が配合されており、なかには腸内環境を整え、便通を改善する効果が期待できるものもあります。そのため、食べ過ぎてしまうとおなかが緩くなることもあるので注意しましょう。また、白米でも同じですが、毎日食べ過ぎていると体重増加につながります。成人病のひとつである肥満防止という意味でも、適量に抑えておくことが望ましいです。...

【玄米の特徴と効能】健康的なお米の代表格

【玄米の特徴と効能】健康的なお米の代表格

玄米は、健康的なお米の代表格として知られています。米粒の周囲にある外皮を取り除いた未精製の全粒穀物であり、健康に良い成分が多く含まれているのです。肥満、糖尿病、消化不良、心臓病などの症状に効果があると言われていますが、その理由は栄養価の高さにあります。この記事では、玄米の特徴と健康効果、選び方や炊き方などをご紹介します。 玄米とは? 玄米は栄養価の高い全粒穀物で、グルテンフリーの万能穀物です。白米は、お米から籾(もみ)、糠(ぬか)、胚芽(はいが)を取り除いたものです。糠には少量の油分が含まれており、腐りやすいため、保存期間を長くするために精米します。しかし、この方法ではお米に必要な栄養分が失われてしまいます。玄米は、糠と胚芽がそのまま残っているため、全粒穀物とみなされ、より高い栄養価を持ちます。一般的に白米に比べて歯ごたえがあり、ナッツのような風味と炊くとモチモチした食感になるのが特徴です。 玄米の種類 玄米には、様々な種類があります。米の色は、米ぬかに含まれる色素(アントシアニン)の種類と量によって決まります。また、独特の風味や香りを決めるのは、玄米の品種ごとに含まれる芳香族化合物や脂肪酸の量や種類です。玄米は、籾殻だけを取り除いた精米されていないお米であり、健康を促進する糠や繊維が含まれています。玄米の保存期間は、常温で6ヶ月です。 赤米 赤米には、さまざまなアントシアニンが含まれており、米ぬかに赤っぽい(あるいは黒みがかった赤)色をつけています。アントシアニンは、赤紫色の果物や野菜に色を与える抗酸化物質です。赤米は、土の香りと豆の香りがします。赤米の賞味期限は、常温で約6ヶ月です。 黒米 黒米は、独特のアントシアニンの組み合わせによって黒い色の糠層を持ち、このアントシアニンによって黒米は調理されると深い紫色になります。アントシアニンは、ナスやブルーベリーが深い紫色になるのと同じ抗酸化物質です。黒米の賞味期限は、常温で約6ヶ月です。 ワイルドライス ワイルドライスは、お米とは異なり、北米に自生する野生で穀物を生産する草の粒です。玄米よりも味が濃い傾向にあります。ワイルドライスは、他の種類の米の中で最も多くの水と調理時間を必要とします。 いろいろな種類の玄米を食べる理由は? 白米も玄米も、エネルギー、炭水化物、たんぱく質の含有量はほぼ同じです。しかし、玄米にはビタミン、ミネラル、食物繊維がより多く含まれています。全粒粉米の糠部分には、食物繊維が多く含まれているだけでなく、健康に良いとされる様々な色素が含まれます。玄米の種類によって含まれる栄養素や色素が異なるため、様々な種類の玄米を食生活に取り入れるのがよいでしょう。様々な味や食感を楽しむこともできます。玄米のような全粒粉を多く含む食事は、心臓病や糖尿病、特定のがんのリスクを下げる可能性があり、健康に有益です。また、体重管理にも役立ちます。玄米のほかにも、玄米ビーフンや全粒粉クラッカー、全粒粉パンなどの全粒粉メニューがあります。 玄米の健康効果 玄米は白米と比較すると、より健康的で栄養価が高いと考えられています。玄米は精米され白米になりますが、その際、栄養価のほとんどが削られてしまうため、白米になる前の玄米には健康により良い成分が豊富に含まれているのです。玄米は白米ほど美味しくないかもしれません。しかし、玄米がもたらす健康的なメリットは、食生活をゆっくりと着実に変化させてくれるでしょう。ここでは、玄米の知られざる健康効果についてご紹介します。 ダイエットに効果的  玄米は、ダイエットに使われることでよく知られている食品の一つです。食物繊維が豊富で、満腹感を長時間持続させることができますし、全体的に消費カロリーを抑えることができます。白米を玄米に変えれば、お腹の脂肪を減らしたり、無理なく健康的に体重管理をしていくことができるでしょう。 血糖値をコントロールする 血糖値を自然にコントロールするには、低炭水化物と低脂肪を食事に取り入れることです。それには、玄米が最適です。グリセミック指数が低いので、血糖値のコントロールに有効です。グリセミック指数が低いということは、摂取した食べ物の消化が遅く、その後、血糖値が急上昇することがないということです。玄米のような全粒穀物を1日3食食べることで、2型糖尿病の発症リスクを減らすことができるとされています。玄米にはフィチン酸、食物繊維、必須ポリフェノールが含まれており、糖の放出を緩やかにし、健康を保つのに役立っています。 消化を助ける  玄米は、消化器系を最適化するために、毎日の食事に取り入れやすい主食です。玄米に含まれる食物繊維は、腸の動きを整え、規則正しい排便を保つのに役立ちます。大腸炎や便秘を治すのに優れた効果を発揮するのです。 コレステロール値をコントロールする  コレステロールの含有量が少ないので、多くの人に好まれています。玄米に含まれる油分は、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)の値を大きく下げることが知られています。玄米に含まれる食物繊維は、消化器官でコレステロールと結合し、その排泄を助けます。 神経保護効果  玄米は、認知機能障害や神経変性疾患のリスクを軽減するのに役立ちます。神経変性疾患のリスクに加えることが知られているコレステロール値を下げる繊維が豊富に含まれているからです。また、パーキンソン病やアルツハイマー病にも有効ですし、うつ病、不安やストレスといった症状にも役立ちます。 母体を健康的に  玄米は、産後うつに驚くほど効果があるとされています。玄米の摂取は、授乳婦の気分の乱れ、憂鬱、疲労の改善にも役立つのです。 骨の健康を維持する  玄米にはカルシウムとマグネシウムが豊富に含まれており、骨の健康を維持するのに役立ちます。関節炎や骨粗しょう症などの症状がある場合にも有効です。 より良い睡眠につながる...