離乳食にお米が最適な理由とは?おかゆにぴったりのお米も紹介

離乳食にお米が最適な理由とは?おかゆにぴったりのお米も紹介

日本では離乳食の開始にあたって、まずおかゆから始めることが推奨されています。赤ちゃんが母乳やミルク以外に初めて口にするものだから、「おかゆのお米にはこだわりたい!」という方は多いのではないでしょうか。この記事では離乳食にお米が推奨される理由と、赤ちゃんのおかゆに合うお米の選び方を紹介します。

離乳食にお米が推奨される理由

まずは離乳食をお米から始めるのはなぜなのか、理由を解説します。

アレルギーの心配が少ない

お米がアレルギーの原因となるリスクはゼロではありません。しかし一般的に、お米はほかの食材と比べるとアレルギーを引き起こしにくいとされています。そのため厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド 」でも、最初に与える食材としておかゆがすすめられています。パンや麺類も離乳食に使えますが、パンには小麦粉のほかバターや塩、砂糖などが含まれており、麺類にも塩が含まれています。お米の場合は素材そのものを赤ちゃんに与えられるため、離乳食には最適なのです。

体の成長に欠かせない「炭水化物」が主成分

お米の主成分は炭水化物です。炭水化物は体に必須の栄養素とされる「三大栄養素」のうちの一つで、炭水化物は体の中でブドウ糖に分解されてエネルギーのもとになります。このブドウ糖は、脳を動かすという重大な働きを持つ唯一のエネルギー源です。ちなみにブドウ糖は、体内に大量に貯蔵しておくことができません。お米には炭水化物のほかにも、血や筋肉を形成するたんぱく質、体の調子を整えるビタミン・ミネラルなどが含まれています。

甘みがあって赤ちゃんが受け入れやすい

ごはんに含まれるでんぷんは、だ液の中の消化酵素の働きで「マルトース(麦芽糖)」に分解されます。マルトースは甘い糖なので、初めて母乳やミルク以外のものを口にする赤ちゃんも受け入れやすいのです。また、ごはんをよく噛むことでだ液がたくさん出てでんぷんとの結合が強くなるため、より甘みを感じやすくなります。離乳食が進むと粒の残ったおかゆややわらかいごはんを食べさせますが、噛めば噛むほど甘みが出るので赤ちゃんの噛む練習になり、あごやそしゃく力の発達にも役立ちます。

さまざまな食材を合わせやすい

野菜や魚、肉など、さまざまな食材と合わせやすいのもお米の魅力です。赤ちゃんの発達に合わせておかゆに野菜や魚、肉などを混ぜれば、離乳食も進めやすいでしょう。離乳が完了して幼児食に進んでからも、おにぎりにしたり、つぶしたごはんを焼いた「お焼き」にしたりとアレンジは無限大です。

離乳食でおかゆをあげるのはいつまで?時期ごとの進め方

離乳食にお米を使う場合、なめらかにすりつぶした「つぶしがゆ」からスタートします。その後赤ちゃんの成長に合わせておかゆの水分を減らしていき、軟飯、ごはんと進めていきます。一般的に離乳食の開始は生後5~6カ月ごろ、離乳の完了は生後12~18カ月ごろとされています。ただし個人差が大きいので、焦ったり無理強いしたりせずに、赤ちゃんのペースに合わせて進めましょう。

初期(生後5~6カ月ごろ)

「10倍がゆ」をすりつぶしたものを、ひとさじ与えるところから始めましょう。10倍がゆは米1に対して水10で炊いたおかゆです。炊き上がったおかゆを裏ごしし、おもゆ(おかゆの上澄み)で固さを調節してください。生後5~6ヶ月の場合、ヨーグルト程度の固さが目安です。

中期(生後7~8ヶ月ごろ)

離乳食中期の生後7~8ヶ月ごろになると、歯が生え始める赤ちゃんもいます。この時期は歯ざわり・舌ざわりが楽しめるよう、「7倍がゆ」を与えます。7倍がゆとは、米1に対して水7で炊いたおかゆのことです。

後期(生後9~11ヶ月ごろ)

離乳食後期になると、前歯でものを噛み取ったり、歯ぐきでもぐもぐ食べたりできるようになります。この頃から、おかゆは全がゆ(5倍がゆ)が食べられます。5倍がゆとは米1に対して水5で炊いたおかゆで、一般的には私たち大人が食べるおかゆと同じものです。赤ちゃんの様子を見ながら、米1に対して水3~2で炊いた「軟飯」を与えても良いでしょう。

完了期(生後12~18ヶ月ごろ)

離乳食完了期になると、米1に対して水3~2で炊いた「軟飯」が食べられるようになります。軟飯を上手に噛んだり飲み込んだりできるようになったら、大人と同じごはんに挑戦してみましょう。ごはんに慣れたら、おにぎりなども食べられるようになります。

離乳食のお米を選ぶときのポイント

赤ちゃんが食べるものだからこそ、離乳食のお米は選び方にもこだわりたいもの。ここでは離乳食用のお米を選ぶポイントを紹介します。

やわらかめの品種を選ぶ

おかゆや軟飯には、やわらかめのお米が良いとされています。特に離乳食初期のころは、ゴックンと飲み込むことに慣れるのが目標なので、やわらかくてつぶしやすい品種が良いでしょう。また、歯が生えていない時期の赤ちゃんも歯ぐきや上あごを使って食べ物をつぶして飲み込むため、粒が残りにくいやわらかめのお米がおすすめです。

もっちり感がそれほど強くないお米を選ぶ

お米は品種によって粘り気に違いがあります。赤ちゃんはものを飲み込む力が発達途中なので、おかゆの粘度が高いと飲み込みにくい場合があります。粘り気があまり強くない品種を選ぶと安心でしょう。なお、もち米は誤嚥(ごえん)のおそれがあるため、離乳食の時期には避けた方が無難です。

安全面をチェックする

赤ちゃんの離乳食に使うお米は、種類だけではなく安全面も気にかけてあげたいものです。いわゆる「普通のお米」は一般栽培米と呼ばれ、農薬や化学肥料を使用して栽培されています。一方、お米には「特別栽培米」「有機栽培米(JAS認定)」というものもあります。特別栽培米とは農林水産省の「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」に沿って栽培されたお米です。その地区の一般栽培米と比べて、化学合成農薬50パーセント以上、化学肥料50パーセント以上が削減されていると証明されたお米が特別栽培米と表記されます。また有機栽培米(JAS認定)とは、農薬・化学肥料を使用しなくなってから3年以上経過した田んぼで、農薬・化学肥料をまったく使用せずに育てられたお米のことです。登録認定機関の審査をクリアしたお米だけが有機栽培米(JAS認定)と認定され、マークを表示できます。

離乳食にぴったりのお米

離乳食にぴったりのお米とは、具体的にどんな品種でしょうか。ここでは、離乳食のおかゆや軟飯に合うとされる2つのお米を紹介します。赤ちゃんによって好みはありますが、離乳食のお米選びの参考にしてください。

ひとめぼれ

ひとめぼれは「コシヒカリ」と「初星(はつぼし)」をかけ合わせて1991年に誕生しました。味と香りが良くねばりが強いお米で、やわらかくてしっとり感と甘みのあるおかゆになります。東北地方を中心に作付けされていて、コシヒカリに次いで2番目に作付け量および流通量が多いお米です。市場でも人気の品種なので、手に入りやすいのも嬉しいところ。主な産地は宮城県、岩手県、福島県です。

ササニシキ

ササニシキは1963年に誕生した、日本を代表する品種です。さっぱり、あっさりとした上品な味で、粘り気が少ないのが特徴。サラリとしていておかゆに合うほか、噛めば噛むほど甘み・うま味が出るのでおにぎりにもぴったりです。ササニシキは冷めてもふっくらとしていておいしいため、シャリに最適なお米としても知られています。繊細な味が素材のおいしさを引き立てるため、和食に合うとされ、多くの寿司店や和食店で利用されています。主な産地は宮城県です。

赤ちゃんがおかゆを食べてくれない理由は?どうしたらいいの?

離乳食を進める中で、赤ちゃんがなぜかおかゆや軟飯を食べてくれないことがあるかもしれません。ここでは、赤ちゃんがおかゆや軟飯を食べない理由と、その対応を紹介します。

つぶつぶ感が気になっている

離乳食のスタートは、水分が多くなめらかにすりつぶしたおかゆから始めます。離乳食の段階が進むとおかゆの水分を減らしていきますが、そうするとお米のつぶつぶが感じられるようになります。赤ちゃんによってはこのつぶつぶ感が苦手で、おかゆを食べなくなることがあるようです。もし赤ちゃんがおかゆを拒否するようになったら、思い切って「一つ前の段階」に戻すのがおすすめです。歯の生え方や舌の動かし方、飲み込み方などは赤ちゃんによって違います。それぞれの発達に合わせた状態のおかゆで、赤ちゃんの離乳を応援してあげましょう。

ベタベタした食感が苦手

赤ちゃんによっては、モグモグと噛んだり飲み込んだりするのが上手な子もいます。歯ぐきでつぶして食べるのに慣れてくると、噛みごたえのないおかゆを「おいしくない」と感じる赤ちゃんもいるでしょう。ほかの食べ物は食べるのにおかゆを嫌がるようになったら、少し水分を少なめにしたおかゆを試してみてください。ただし、赤ちゃんがしっかりモグモグしてから飲み込んでいるか、しっかり観察することが大切です。噛まずにそのまま飲み込んでいるようであれば、まだ少し早いかもしれません。赤ちゃんの様子を見ながら、その子に合う水分量を工夫してみましょう。

イヤイヤ期の可能性も

1歳以降におかゆや軟飯を食べなくなった場合、もしかしたら「イヤイヤ期」が始まったのかもしれません。イヤイヤ期とは早い子で1歳半ごろから始まる、赤ちゃんの心の成長のために必要な時期だといわれています。イヤイヤ期には何でも「イヤ!」と拒否する赤ちゃんが多いので、おかゆや軟飯を嫌がっても不思議ではありません。無理強いしても親が疲れるばかりなのであまり気にせず、「今は食べたくないのね」と赤ちゃんの気持ちを受け止めてあげましょう。おかゆや軟飯を食べなくても、その子なりに身長や体重が増えていて、機嫌良く過ごせているなら心配はありません。エネルギー源になるいも類を試したり、おかゆや軟飯におかずを混ぜたりして、赤ちゃんが食べやすい方法を探してあげましょう。親が「お米を食べさせないと!」と必死になると、その気持ちが赤ちゃんに伝わってしまいます。時期が過ぎればまた食べるようになることがほとんどなので、あまり気にせず、ゆったりと構えるのがおすすめです。

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