お米は品種によって全然違う!強い粘り気が特徴のミルキークイーン

お米は品種によって全然違う!強い粘り気が特徴のミルキークイーン

品種改良の技術向上に伴って、お米の品種は全国各地で300種類を超えます。その数は現在でもなお増え続けており、ミルキークイーンもそうした品種改良の過程で生まれた比較的新しいお米です。お米は品種によって食感や風味が大きく異なるため、品種ごとの特徴をしっかり掴んで食卓に並べたいところ。そこで今回は、ミルキークイーンの特徴と相性の良い調理方法を紹介します。

どうして生まれた?ミルキークイーンの成り立ち

ミルキークイーンが生まれた経緯は、1985年に農林水産省が立案した「スーパーライス計画」に端を発します。この計画は従来より美味しいお米の品種を生み出す目的で発足され、1989年から1994年の5年にわたって、茨城県の農業研究センターというところで新しい品種の研究開発が行われました。そして、度重なる研究の末、ついにコシヒカリの突然変異としてミルキークイーンがこの世に誕生します。

スーパーライス計画の主眼は、食味が良く粘り強い新種を生み出すことにありました。そうした開発の経緯もあって、ミルキークイーンは従来のお米に比べて粘りが強く、モチモチしている点に特徴があります。そもそもお米の粘りとは、お米に含まれるでんぷんによってもたらされるものです。でんぷんは主にアミロースとアミロペクチンという2種類の物質によって構成されています。

このうち、お米の粘りに関係しているのがアミロースという物質です。でんぷんにおけるアミロースの含有量が少なければ、お米にはより強い粘りが出ます。一方、アミロース含有量が多くなると、粘りの少ないお米になります。ミルキークイーンに強い粘りがあるのも、このアミロースの含有量が少ない「低アミロース米」だからです。

ミルキークイーンのアミロース含有量は、9~12%程度となっています。約17~23%というコシヒカリなどと比べると、ミルキークイーンのアミロース含有量がどれほど少ないかがわかるはずです。ちなみに、もち米のアミロース含有量は0%で、でんぷんはすべてアミロペクチンによって構成されています。もち米の粘りが強いのは、アミロースが全く含まれていないからなのです。

また、ミルキークイーンは見た目も普通のお米とは異なります。玄米の状態だと、ミルキークイーンは表面が乳白色に白濁して見えます。このことから、「乳白色(ミルキー)クイーン」という名前が付けられました。

冷めても美味しい!ミルキークイーンの特徴とおすすめ料理

ミルキークイーンは食感も普通のお米とは違います。従来のお米より粘りが強いため、よりもっちりとしてソフトな食感を味わうことができます。もち米に近い低アミロース米なので、香りもお餅のように芳醇です。そして、ミルキークイーンのような低アミロース米は、炊き立てではなくても美味しく食べられるという大きな特徴があります。

冷めても美味しいのはなぜ?

ミルキークイーンは、たとえ冷めていても美味しさが持続するお米です。その理由は、ミルキークイーンの強い粘り気にあります。ミルキークイーンの強い粘り気は、アミロース含有量が少ないことに由来します。アミロースの少ないお米は、強い粘り気があるだけではなく、しっとりしていて柔らかい点も特徴です。逆にアミロース含有量が多いお米は、硬くパサパサしている点に特徴があります。お米が冷めると表面が硬くなり、食感や味がどうしても落ちてしまいますが、もともと柔らかい米質を持つミルキークイーンは、冷めても柔らかい食感を保つことができ、炊き立てに近い風味と味わいを感じることができるのです。

弁当との相性が良い!

柔らかくふっくらしたミルキークイーンは、冷めても硬くならないため、弁当に詰めるごはんとの相性が抜群です。弁当は作ってすぐ食べるものではないので、蓋を開いたときは基本的に食材が冷めてしまっているものです。しかし、冷めても美味しいミルキークイーンなら、作ってから時間が経っている弁当でも味にほとんど変化がありません。弁当を作る頻度が多いなら、ぜひミルキークイーンを選ぶことをおすすめします。

おにぎりにも最適

弁当と同じく、おにぎりも冷めた状態で口にすることが多い食べ物です。そのため、ミルキークイーンでおにぎりを作れば、冷めても硬くなりにくく、いざ食べるときになってもお米本来の美味しさを味わうことができます。また、おにぎりを美味しく食べるためには、お米の粘り気も重要な要素です。粘りの強いお米のほうが、おにぎりを握ったときにお米とお米がくっつき、形が整いやすくなります。握るときも強い力が必要ないので、米粒を潰さず、ふんわりとしていながら崩れにくいおにぎりを作ることができます。

卵かけごはんのお米にも

お米と卵、しょうゆだけで作る卵かけごはんもおすすめの料理のひとつです。卵かけごはんは、素材の美味しさを味わうことができる食べ物。もちろん、美味しい卵かけごはんを作るためには卵やしょうゆにもこだわる必要がありますが、それ以上に重要なのがお米の質です。どれほど高級な卵としょうゆを用意していても、お米との相性が良くなければ美味しい卵かけごはんにはなりません。

卵かけごはんに向いているお米の特徴は、まず粒が大きく、弾力と食感があり、そして米粒がツヤツヤしていること。ミルキークイーンはこれらの条件を満たしており、卵かけごはんと相性の良い品種だということができます。しかも、ミルキークイーンは噛むほどに甘みが出るので、ごはん本来の風味を味わうことができるお米でもあります。この点も、美味しい卵かけごはんを作る条件のひとつです。ミルキークイーンで卵かけごはんを作れば、素材の味が活かされた最高級な一品を味わうことができるでしょう。

濃い味の料理と合わせてみよう

柔らかい米質のミルキークイーンは、濃い味の料理と合わせてみるのもひとつの方法です。煮物や焼き肉などと一緒に食べると、煮汁やタレといったおかずの味がお米の一粒一粒に染み込みます。おかずの味が加わることで、より違った印象のミルキークイーンに変貌するでしょう。また、モチモチした弾力と粘り気のおかげで、濃い味の料理と合わせても存在感を失わないので、さまざまな料理と合わせることができます。

美味しさを引き出すには!ミルキークイーンの炊き方

ミルキークイーンは普通のお米以上に特徴の多いお米です。粘り気が強く、モチモチした食感を最大限に発揮させるためには、ミルキークイーンに合ったお米の炊き方をすることが大切です。もちろん、基本的な炊き方は同じではありますが、ポイントを意識して炊くことでより美味しく炊き上がります。

水を少し少なめにする

一般的なお米を炊く際は、お米1合に対して炊飯器の目盛を1に合わせて炊くのが通常です。一方、ミルキークイーンを炊くときは、お米1合に対して加える水の量を1割ほど減らして炊くのがおすすめです。ミルキークイーンはもともと水分を多く含んでいるので、少し水を少なくして炊くことでちょうど良いもっちりした炊き上がりになります。むしろ、水加減が少なめのほうがミルキークイーン独特の粘り気が引き立ち、より美味しい仕上がりになるのでぜひ試してみましょう。

炊く前に水に浸しておく

よりふっくらした仕上がりにしたいなら、炊飯する前にミルキークイーンをしばらく水に浸しておくのもポイントです。お米を水に浸けておくことで、水分が粒の中心まで浸透し、炊いたときにより瑞々しくふっくらと仕上がります。お米は季節によって状態が微妙に変わるので、夏は30分、冬は1~2時間を目安に水に浸してから炊飯するようにしましょう。

炊飯後はすぐにしゃもじでかき混ぜる

ミルキークイーンの特徴は食感の柔らかさにあります。しかし、炊飯後に何もしないで炊飯器の中に放置していると、お米がかたまってミルキークイーン本来の柔らかさが失われてしまうことがあります。ですから、炊飯後はすぐにしゃもじでお米をかき混ぜましょう。お釜の底にしゃもじを入れて、優しくかき混ぜるのがコツです。あまり乱暴にかき混ぜてしまうとお米が潰れてしまうので、なるべく米粒を潰さないように意識してかき混ぜると良いでしょう。

ブレンド米にも挑戦してみよう

ミルキークイーンはブレンド米としても活用しやすいお米の品種です。もちろん、単体で食べても十分に美味しいお米ではありますが、他の銘柄と混ぜて食べることでまた違った味わいを感じることができます。特に、ミルキークイーンの強い粘り気は、精米から日数が経って乾燥してしまったお米を復活させることにも役立ちます。

パサパサしたお米とブレンドしてみよう

お米は精米日から日数が経つと、米粒が乾燥してパサパサになってしまいます。水分が抜けたお米をそのまま炊飯しても、なかなかふっくらとした具合に炊き上がりません。そこで、ミルキークイーンです。ミルキークイーンはもともと水分が多く、強い粘り気に特徴があります。そのため、パサついたお米にブレンドすることで、乾燥したお米に艶と粘り気を与え、よりふっくらとした仕上がりにすることができるのです。

ただし、お米のブレンドは混ぜ合わせる銘柄の割合が重要です。入れ過ぎても少な過ぎても思った仕上がりにならないことがあるので、ある程度の慣れは必要です。乾燥したお米にミルキークイーンをブレンドする場合は、乾燥米が2合に対して、ミルキークイーンは1合混ぜて炊くのが基本的な割合です。最適な割合はそのときのお米の状態にもよるので、まずは一度試してみて、どういう仕上がりになるのか確かめてみましょう。

コシヒカリとのブレンド

ミルキークイーンはもともとコシヒカリから生まれた品種なので、コシヒカリとの相性が良い銘柄です。ミルキークイーンとコシヒカリをブレンドして売っているお米もあり、この2品種をブレンドすることで甘みと粘り気がより引き立つ新しいお米になります。コシヒカリとミルキークイーンのブレンド米は、食味が良く粘り気も強いので、肉料理との相性が特に良いブレンド米です。「今日はミルキークイーンを味わおう」「次はコシヒカリとブレンドして肉料理に合わせよう」など、自宅でブレンド米を作れば気分や料理によっていろいろなお米を楽しむこともできます。

お米の品種に注目してみよう!

お米は品種によって適した料理が変わってくる食材です。冷めても美味しいミルキークイーンは、おにぎりやお弁当で活きる品種である一方、お米がパラパラしているほうが美味しいチャーハンや、ルーとの相性が重要なカレーなどの料理には向いていないという側面があります。ですから、お米は料理に応じて使い分けるのもひとつの方法。また、双方の欠点を補うように、異なる品種をブレンドしてみても良いでしょう。お米の品種にこだわることで、食卓を一味違う仕上がりにすることもできるので、ぜひ品種に着目してお米を見てみてはいかがでしょうか。

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