みんなに人気のお米はこれ!お米の品種ランキング

みんなに人気のお米はこれ!お米の品種ランキング

日本人の主食として愛され続けてきたお米。生産地の気候に合わせてさまざまな品種改良がなされ、よりおいしい品種が続々と誕生しています。この記事では3つのデータを元に独自のランキングを作成。多くの人に支持を集めているお米を紹介していきます。

3つの指標をもとにランキングを作成!

日本には、国に品種登録されているお米が約900品種あり、そのうち主食用として多く作られているのが約300品種、もち米が約70品種、酒米が約120品種あります(2019年12月30日現在、農林水産省「品種登録ホームページ」、農林水産省「2020年産産地品種銘柄一覧」)。お米の味や見た目の美しさは、品種だけでなく生産者や生産地によっても異なるため、一概に「この品種が素晴らしい」と決めてしまうことはできません。ここでは、米穀安定供給確保支援機構の「2021年度産水稲の品種別作付動向について」、日本穀物検定協会の「第50回食味ランキング(2021年産米)」、静岡県の「第18回お米日本一コンテストinしずおか」の結果を総合して、ランキングを作成しました。それぞれの調査・ランキングについて説明していきます。

米穀安定供給確保支援機構「2021年度産水稲の品種別作付動向について」

米穀安定供給確保支援機構の「2021年度産水稲の品種別作付動向について」は、品種別の作付け比率を調べたものです。どの品種のお米が国内で多く作られているかが分かります。

1位は「コシヒカリ」。作付け比率は全体の33.7%と圧倒的な強さです。1979年以降連続で1位を守り続けており、北海道、沖縄を除く全国で作られています。

2位は「ひとめぼれ」。作付け比率は9.1%で、東北地方を中心に作られている品種です。

3位は「ヒノヒカリ」で作付け比率は8.3%。九州、中国四国地方、近畿地方など西日本で栽培されています。

続く4位は「あきたこまち」で作付け比率は6.8%、5位「ななつぼし」が3.4%です。

日本穀物検定協会「第50回食味ランキング」

米の食味ランキングは、主な産地品種銘柄について白米を試食して行う食味官能試験をもとに、「特A」「A」「A‘(Aダッシュ)」「B」「B‘」にランク付けしたものです。試験は専門の食味評価エキスパートパネル20人が行い、外観、香り、味、粘り、硬さ、総合評価に関して比較評価を行います。比較対象となる基準米は、複数産地のコシヒカリのブレンド米で、基準米よりも特に良好なものを「特A」としています。

2021年に特Aと評価された53銘柄のうち、最も多かった品種は、51生産地の「コシヒカリ」

2位が17生産地の「ヒノヒカリ」

3位は8生産地の「ひとめぼれ」

4位は7生産地の「きぬむすめ」

5位は6生産地の「つや姫」と「あきたこまち」でした。

品種ごとに生産量が大きく異なるため、特A評価を受けた生産地の多さが品種の評価に直結するわけではありません。また、この調査では流通するすべてのお米を評価しているわけではありませんが、1つのデータとして参考にしています。

静岡県「第18回お米日本一コンテストinしずおか」

「お米日本一コンテストinしずおか」は、食味評価機器による機器審査を通過したお米を対象に、米・食味鑑定士、お米マイスター、お米アドバイザーなど15人が最終審査(食味官能審査)を行い、実行委員会会長賞(特別最高金賞)、最高金賞、金賞、静岡県知事賞を決めるものです。最終審査の1回戦で上位30点を選出し、2回戦で対象の30点をトーナメント方式で審査。2021年12月に行われたコンテストでは、特別最高金賞および、最高金賞5点のうち4点が「コシヒカリ」、残る1点が「ゆうだい21」でした。金賞の中で最も多かった品種は、「コシヒカリ」10点で、そのほかに「ゆうだい21」「きぬむすめ」「にこまる」「ミルキークイーン」が2点ずつ入賞しています。このコンテストでは、1都道府県当たりの選出数は上限10点という定めがあります。

1位はお米の王様「コシヒカリ」

作付面積比率で圧倒的な広さを誇るコシヒカリ。日本で1番生産されているお米です。生産量が多いことも一因ではありますが、「第50回食味ランキング」「第18回お米日本一コンテストinしずおか」のどちらにおいても、多くの生産地、生産者が高い評価を得ています。コシヒカリは1956年に福井県で生まれました。味の評価が高いものの病気に弱い「農林1号」と、病気に強い「22号」をかけあわせて作られた品種です。漢字では「越光」と書き、「越の国に光輝く米」という思いが込められています。

ひとめぼれやヒノヒカリなど、コシヒカリと他の品種をかけあわせて生み出された人気品種も多くあり、日本を代表するお米と言っても過言ではないでしょう。コシヒカリの一番の特徴は、旨みと甘み、粘りが強いことです。でんぷんの主成分であるアミロースとアミノペクチンのバランスに優れており、そのことが美味しさの要因となっています。炊きあがったお米の美しさや、歯ごたえのやわらかさなども魅力です。

2位は西の横綱「ヒノヒカリ」

作付面積比率は8.3%で3位ながら、「第50回食味ランキング」では2位に当たる17生産地が特Aの評価を受けており、評価の高さがうかがえる品種です。ヒノヒカリはコシヒカリと黄金晴(こがねばれ)を交配させてできた品種で、1989年に命名登録された翌年には、九州各県で奨励品種に採用されました。現在では、東の横綱がコシヒカリなら、西の横綱はヒノヒカリと称されるほど、西日本で多く生産されています。ヒノヒカリという名前は育成地であった宮崎県で公募により決められました。

九州は長らく、気候の問題から味の良い既存品種が栽培できず、生産するお米の質が低い地域とされていました。そこで、米どころ・東北地方のお米にも対抗でき、九州の温暖な気候で栽培できる味の良い品種を目指して作られたのがヒノヒカリです。粒は小ぶりですが厚みがあり、もっちりとした食感で、噛むとコシヒカリ譲りの味わいを感じることができます。コシヒカリよりも価格が手ごろな点も人気の一因といえるでしょう。

3位「ひとめぼれ」

3位はひとめぼれです。作付け比率は9.1%で2位、「第50回食味ランキング」では3位に当たる8生産地が特Aに選ばれました。「コシヒカリ」と「初星」をかけあわせ、1991年に宮城県で作られた品種です。宮城県の風土に合わせて育成されており、作付け比率の大きさから分かるように栽培がしやすいことでも知られています。東北地方を中心に栽培されており、特に冷害に強いことが特徴です。品種名には「味と見た目の美しさにひとめぼれするようなお米」という意味が込められており、全国3万8000件以上の応募から選ばれました。ひとめぼれは、粘り、旨み、艶などのバランスがよく、主張しすぎないため、どんな料理にも合うお米だといわれています。特に出汁を生かした和食メニューとの相性は抜群です。味と香りがよく、冷めてもおいしいため、お弁当に入れるのにも適しています。

4位「あきたこまち」

4位はあきたこまちです。作付け比率は6.8%で全国4位、「第50回食味ランキング」では、5位に当たる6生産地が特Aに選ばれました。秋田県では人気品種であったコシヒカリの栽培が難しく、「コシヒカリの良さを受け継ぐ品種を作ろう」という思いから開発がスタートしました。「コシヒカリ」と「奥羽292号」をかけあわせ、1984年に秋田県で生まれた品種です。旨みや甘みが強いコシヒカリの特徴を受け継ぐ一方で、コシヒカリほど主張しすぎないため、シンプルな味付けの和食などと相性が良いといわれています。品種名は、平安時代の歌人で美人として知られる小野小町に由来。あきたこまちの誕生地といわれる秋田県湯沢市は、小野小町が生まれた場所とされています。

5位「きぬむすめ」

5位はきぬむすめです。作付け比率は1.6%で9位ですが、「第50回食味ランキング」では4位に当たる7生産地が特Aに選出。また、コシヒカリが圧倒的な強さを見せる「お米日本一コンテストinしずおか」でも、2点が金賞に入賞しています。島根県で2005年に誕生した新しい品種で、キヌヒカリの次世代を狙う品種となることを願い「キヌヒカリの娘」の意味で「きぬむすめ」と名付けられました。「キヌヒカリ」と「祭り晴」を交配させた品種で、タンパク質、アミロース、食味スコアでコシヒカリと同等の数値をマークしており、味の良さで高く評価されています。また、作付け比率でも8位のキヌヒカリ(1.9%)に迫る勢いです。

番外編「ゆうだい21」「にこまる」

おいしさや見た目の美しさ、栽培のしやすさなどを求めて続々と新しい品種が開発されています。誕生から間もない新品種が作付け比率の上位に食い込むのは難しいですが、高い評価を得ている品種は少なくありません。ここでは「第50回食味ランキング」と「第18回お米日本一コンテストinしずおか」のデータを元に、注目の品種を番外編として紹介します。

ゆうだい21

「第18回お米日本一コンテストinしずおか」において、コシヒカリ以外で唯一最高金賞に選出されたのが「ゆうだい21」です。同コンテストでは、金賞にもゆうだい21が2点選出されています。ゆうだい21は宇都宮大学が10年をかけて育成した、国立大学初の水稲新品種です。宇都宮大学が「宇大(うだい)」と呼ばれていることから「宇」を「U」に置き換え、大きく立派な稲の雄大さをイメージさせる「ゆうだい」と名付けられました。コシヒカリと比べると、ゆうだい21の茎の長さは5~10cm高く、穂の長さは3~5cm長いです。さらに1穂あたりの籾の数は130~150粒程度で、コシヒカリが90粒前後なのに比べると明らかに多いことが分かります。味は、コシヒカリより甘みや粘りが強く、冷めてもおいしいと評判です。

にこまる

「第50回食味ランキング」では4生産地が特Aに選ばれ、「第18回お米日本一コンテストinしずおか」では2点が金賞を受賞した「にこまる」。来るべき温暖化の影響に備えて、九州で広く栽培されているキヌヒカリに代わる品種として開発されました。キヌヒカリと北陸174号をかけあわせた品種です。粒揃いがよく、もちもちした食感が魅力。長崎県で多く栽培されています。丸々として張りがある見た目と、食べると笑顔がこぼれるおいしさから「にこまる」と名付けられました。

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