コシヒカリを越えたお米?つや姫の美味しさの秘密とは

コシヒカリを越えたお米?つや姫の美味しさの秘密とは

全国で300以上を数えるお米の品種のなかで、近年特に美味しいと注目されているのが「つや姫」というお米です。つや姫は、お米の王様とも名高い魚沼コシヒカリを凌ぐともいわれるほど、食味が豊かなお米として全国的にも知られるようになってきています。それでは、つや姫はなぜそれほど高い評判を得るに至ったのでしょうか。今回は、つや姫の歴史を紐解き、その特徴や美味しさの秘密に迫ります。

10年かけて作られた品種!つや姫誕生の歴史

つや姫が生まれたのは、米どころとして有名な山形県です。つや姫が誕生した1990年代は、それまで山形県で長く作付けされてきた「ササニシキ」や「はえぬき」の人気が低迷を見せ始めていた時期です。山形県は起死回生を目指し、新しい品種を開発する一大プロジェクトを打ち出します。「夢の米」プロジェクトと銘打たれたこの計画は、実に10年もの歳月を要し、ついに求めていた新しいお米の開発に成功します。そのつやつやとした見た目の美しさと、10年もの時を経て大切に育まれたという開発の経緯から、新しい品種は「つや姫」と名付けられました。

明治時代に遡る!つや姫のルーツ

こうして生み出されたつや姫は、そのルーツも開発した山形県に根差しています。明治時代に山形県で生まれて、明治後期から大正時代にかけて長く親しまれた「亀の尾」という品種が、つや姫の交配親です。亀の尾は山形県内ではレジェンドと見なされているお米の品種で、「コシヒカリ」や「はえぬき」といった品種もルーツを辿れば亀の尾にたどり着きます。そこから生まれたつや姫は、まさに山形県の伝統と誇りを受け継ぐ会心の品種だったのです。

つや姫の人気は全国に波及

つや姫がデビューしたのは、開発から10年以上が経過した2010年のことです。当初こそ栽培面積が小さく、評価も決して芳しくはありませんでしたが、品質を重視しながら少しずつ生産量を増やした結果、その人気はみるみるうちに全国まで拡大していくことになります。業界における評価も非常に高く、つや姫は生産量トップの常連であるコシヒカリを上回るほどの高い評価を受けています。

栽培方法や品質管理に関する厳しい基準が設けられ、つや姫を栽培できるのは県から認可を得た一部の農家のみです。にもかかわらず、つや姫は全国から注文が殺到し、一時期は生産が追い付かなくなるほどでした。デビューから数年で、つや姫は山形県にとどまらず、その品質と美味しさから全国的にも高い人気と知名度を獲得するに至ったのです。

とにかく美味しい!つや姫の特徴

つや姫の一番の特徴は、何といってもその美味しさです。お米の評価を決めるのは、何より精米したときの味と見た目です。「財団法人日本穀物検定協会」や「農業総合研究センター」といった業界団体では、実際にお米を食べて食味を審査する食味官能試験というものを実施しています。その試験で、つや姫は味と見た目の両方、すなわち「甘味」「旨味」「お米のつや」「粒ぞろい」という点でいずれも高い評価を得ています。その評価はコシヒカリを上回り、つや姫は業界内でも美味しいお米の代表格として認識されているのです。

お米の味を決める!つや姫の甘味と旨味

お米の味を決定づけるのは、口にしたときに広がるお米本来の甘味と旨味です。つや姫には、そうした甘味と旨味がバランスよく含まれています。特に旨味の評価は高く、これはつや姫に旨味成分であるグルタミン酸やアスパラギン酸といった物質が多く含まれているためです。旨味成分の含有量はコシヒカリより多いとされ、この濃厚な旨味が他のお米とは違う、つや姫ならではの特徴を形作っています。

程よく粘り気があり柔らかい

旨味やつやと同様に高く評価されたのが、つや姫独特の粘り気と口当たりのバランスです。つや姫は他の品種に比べて粘り気が強く、米粒が柔らかめに作られています。この強い粘りと絶妙な柔らかさが、つや姫ならではの食感を生み、口に入れたときに広がるような美味しさを演出してくれます。噛みしめたときだけではなく、喉ごしも心地いいので、つや姫はまさに白米本来の美味しさを味わうことができるお米なのです。

目で見て楽しめる!透明なお米

つや姫は目で見て楽しめるお米だといわれます。その理由は、バランスに優れたお米の透明度にあります。玄米の光沢を表す玄米白度という指標で、つや姫は最適値の20.0に近い数値を出しました。つまり、つや姫は他のお米に比べて玄米が白く、透き通っていて美しく見えるということです。この玄米白度は、炊飯した際にも影響を与えます。実際、炊きたてのつや姫は輝くように白く、そして名前の由来にもなっている通りつやつやとしています。その見た目の美しさもまたつや姫の大きな特徴だといわれているのです。

大きな粒がそろっている

つや姫の特徴は、粒が均一な点にも求めることができます。コシヒカリと比べて、つや姫は粒の大小にバラツキが少なく、粒ぞろいが良好なお米とされています。しかも、2.0ミリ以上の大きな粒が含まれている割合がコシヒカリより5%ほど多く、全体的に粒が大きいのもつや姫の特徴です。粒ぞろいが良く、大粒が多いお米は、食感が良く味も豊かという特性を持ちます。また、米粒が大きく均一なほうが見栄えも良いので、この点もつや姫が目で見て楽しめるお米といわれる所以のひとつです。

こんな料理と合わせてみて!つや姫と相性の良い料理

お米は品種によって味や特徴が大きく異なります。そのため、食事をより楽しむためには、料理やおかずに応じてお米の品種を変えてみるのもひとつの手です。たとえば、チャーハンやカレーといった料理は、粘り気の強いお米とは相性が悪いとされています。チャーハンはお米がパラパラとしていたほうが美味しいですし、カレーの場合もさっぱりした米質のほうがルーとしっかり絡んで味が引き立つものです。そのため、チャーハンやカレーを作る際は、粘り気が少なくあっさりしたしたお米を選んだほうが良いでしょう。

日本食との相性が良いつや姫

一方、和食などの伝統的な日本食は、お米が主食として食卓の中心に来るので、お米本来の味を楽しめるような品種が適しているとされます。その点、甘味と旨味のバランスが良く、食感や喉ごしも印象的なつや姫は、それ自体が主役級の存在感を放つお米です。ですから、つや姫は日本食との相性が非常に良い品種だといわれています。たとえば、一汁三菜の揃った伝統的な食事風景において、つや姫のような白米の王道ともいうべき品種は、まさに主役級の働きをしてくれることでしょう。日本食にはあっさりした料理が多いので、主張の強いお米と合わせることで、主食とおかずをバランスよく味わうことができます。

つや姫で握るおにぎり

つや姫は粘り気が強いお米でもあるので、日本の伝統食のひとつであるおにぎりとの相性も抜群です。まず、握ったときにお米同士が程よくくっつくので、つや姫で作ったおにぎりなら頬張るように食べてもそう簡単には崩れません。しかも、お米自体に粘りがあるため、固く握らなくてもしっかりと成形することができます。口に入れたときのふんわりとした食感を保ちながら、簡単には崩れないしっかりしたおにぎりを作ることが可能です。また、柔らかいのが特徴のつや姫は、冷めても硬くなりにくいという性質を持ちます。この特徴のおかげで、つや姫は炊いてから時間が経っても美味しさをキープすることができるお米です。お弁当として持っていくおにぎりやごはんとして使ってみても実力を発揮してくれるでしょう。

濃い味の料理と合わせてみても

和食だけではなく、つや姫は洋食とも相性が良いお米です。たとえば、エビフライやカツレツなど、味の濃い料理と合わせてみても良いでしょう。つや姫自体が深い味と風味を持つお米なので、味の濃い料理と合わせても負けることなく、むしろおかずの味をより引き立ててくれます。つや姫は味のバランスが整っているので、多様な料理と合わせることができます。代表的な洋食のほかにも、生姜焼きや親子丼といった丼物なども、つや姫と相性の良いおすすめの料理です。

炊き立てをそのままで食べても良し

つや姫を余すことなく楽しみたいなら、炊き立てをそのまま食べてみるのも一興です。つや姫自体に濃厚な味わいがあるので、炊き立てをそのまま食べることで、白米本来の味をしっかりと感じることができます。強い存在感を持つつや姫は、いわば白米が好きな人のために存在するようなお米です。そして、お米本来の味を最も感じることができるのが炊き立てです。炊き立てをそのまま食べる作法は、まさにお米の「ツウ」の食べ方だといって良いでしょう。

美味しさを最大限に活かす!炊き方にもこだわってつや姫を楽しもう

つや姫の魅力を最大限に活かすなら、炊き方にもこだわりを持って臨みましょう。お米を美味しく炊くためには、まず何より水に注意するべきです。炊飯後のお米は、水の味や香りが色濃く反映されます。そのため、どれほど鮮度の良いお米を使っていたとしても、炊飯時に質の悪い水を使っていると、炊けたときに残念な仕上がりになってしまうことがあるのです。つや姫本来の味を感じたいなら、研ぐ段階から浄水やミネラルウォーターといった良質の水を使うようにしましょう。

また、つや姫は粘り気の強いお米なので、炊飯時の水加減にも少し工夫が要ります。もちろん、お好みではありますが、炊飯器の目盛より1割ほど水を少なくするのがおすすめです。こうすることで、お米の粘り気が調整され、つや姫本来の程よい粘りを堪能することができます。また、炊飯前は質の良い水にしばらく置いておくのも美味しく炊く秘訣です。水に浸すことでお米の深部まで水分がいきわたり、炊き上がったときによりふっくらとした仕上がりになります。ただし、浸け過ぎはベタつきの原因になるので、夏は30分、冬は1時間程度を目安に浸すようにしましょう。

最後に、炊けた後にも一工夫加えましょう。なるべく炊飯直後に、お米を優しくかき混ぜます。炊飯後のお米の表面には余計な水分が付着しており、そのまま放置すると残った水分でお米がふやけてしまいます。炊き上がり直後にお米をほぐすことで、余計な水分を飛ばすことができるので、炊飯が完了したらなるべく早くお米をほぐしましょう。ほぐすことで、つや姫の特徴であるお米のつやも出やすくなるうえ、食感も良くなります。このように、炊き方ひとつでお米は良くも悪くもなります。せっかく最高峰の食味が楽しめるつや姫を食べるのなら、ぜひ炊き方にもこだわって、つや姫本来の食味と香り、そして白く艶めくその姿を余すことなく楽しみましょう。

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