購入前に知っておきたいお米の種類と特徴

購入前に知っておきたいお米の種類と特徴

「もっと美味しいお米を購入したい」「ライフスタイルにあっているお米を購入したい」などと考えていませんか。お米選びにこだわりたい方は、お米の種類と特徴を理解しておきましょう。これらを理解することで、買ってよかったと思えるお米を選びやすくなるからです。この記事では、お米の種類と特徴を詳しく解説しています。

実はいろいろ!お米の種類

お米は、加工方法で以下の種類にわかれます。

  1. 玄米
  2. 発芽玄米
  3. 精米
  4. 分づき米
  5. 無洗米

それぞれの特徴は次のとおりです。

玄米の特徴

玄米は、稲の種(籾)から殻(籾殻)だけを取り除いた状態です。果皮・胚芽・ヌカは残っています。したがって、これらを取り除く精米よりも栄養は豊富です。具体的には、ミネラル・ビタミン・食物繊維などを多く含みます。日本食品標準成分表2020年版(八訂)によると、「穀類/こめ/水稲めし/玄米(可食部100g)」のカルシウムは7mg、マグネシウムは49mg、ビタミンB1は0.16mg、ビタミンB2は0.02mg、ビタミンB6は0.21mg、「穀類/こめ/水稲めし/精白米/うるち米(可食部100g中)」のカルシウムは3mg、マグネシウムは7mg、ビタミンB1 は0.02mg、ビタミンB2は0.01mg、ビタミンB6は0.02mgです。精米よりも栄養を取りやすいといえるでしょう。一方で、食物繊維を豊富に含むため、精米よりも固い食感になります。ただし、マイナスとは言い切れず、プチプチとした食感が癖になる方もいます。また、美味しく炊くため、通常、5~6時間程度の浸水時間を必要とします。

発芽玄米の特徴

発芽玄米は、玄米に水を与えて0.5~1.0mmほど発芽させた状態です。発芽玄米を観察すると、芽がでていることを確かめられます。発芽玄米も栄養が豊富です。食物繊維とマグネシウムは玄米よりも豊富に含んでいると考えられます。また、GABAの含有量が多い点も特徴です。GABAは脳の興奮を鎮めると考えられているアミノ酸のひとつです。睡眠をサポートする機能や高めの血圧を下げる機能などが期待されています。玄米と食感が異なる点も特徴です。一般的に、玄米よりもモチモチしているといわれています。どちらかというと、精米に近い食感といえるでしょう。また、浸水時間も、通常30~60分程度しか必要としません。玄米よりお手軽な点も魅力です。

精米の特徴

精米は、玄米から果皮・胚芽・ヌカを完全に取り除いて胚乳だけになった状態です。白米と呼ばれることもあります。スーパーなどで販売されているお米は、精米あるいは白米と考えてよいでしょう。精米も栄養をしっかりと含みますが、玄米や発芽玄米ほどではありません。一方で、食感がモチモチとしているため食べやすい、胃腸に負担をかけにくいなどの優れた面もあります。また、玄米や発芽玄米のように、炊くときに浸水時間を必要としません。時間がないときでも美味しく食べられるお米です。

分づき米の特徴

玄米と精米の良いところを取り入れたい場合は、分づき米という選択肢もあります。分づき米は、胚芽・ヌカを一定の割合で残して精米した状態です。ヌカを3割ほど取り除いて胚芽を完全に残した状態を3分づき、ヌカを5割ほど取り除いて胚芽をほとんど残した状態を5分づき、ヌカを7割ほど取り除いて胚芽の一部を残した状態を7分づきといいます。以上からわかる通り、数字が大きくなるほど精米(白米)に近くなります。分づき米を炊く際は、3分づきで5時間程度、5分づきで3時間程度、7分づきで2時間程度の浸水が必要です。

無洗米の特徴

無洗米は、特別な方法で肌ヌカを取り除くことによりそのままの状態で炊けるようにしたお米です。肌ヌカは、精米で取り除いたヌカが表面に張り付いた状態を指します。一般的な精米方法で、肌ヌカを取り除くことはできません。通常のお米(精米)は、この部分を取り除くため炊く前に研ぎ洗いをします。肌ヌカを取り除く特別な方法には、肌ヌカの粘着性を利用するヌカ式、肌ヌカを水で洗い流して乾燥させる水洗い式、少量の水と肌ヌカを混じらせてタピオカで吸着するタピオカ式などが存在します。無洗米の魅力は利便性が高いことといえるでしょう。一方で、価格は通常の精米よりも高くなります。味は、通常の精米と基本的にかわりません。ただし、美味しく炊くために、水加減を多くする、30~60分程度の浸水時間を設けるなどの工夫が必要です。

お米の品種・銘柄と特徴

お米にはさまざまな品種・銘柄があります。もち米などを含めると800種類以上といわれるほどです。これらの中から好みの品種・銘柄を見つけるとなると難しいでしょう。ここでは、代表的な品種の特徴を紹介します。お米選びの参考にしてください。

コシヒカリ

コシヒカリは、昭和38年に誕生した品種です。強い甘みとモチモチとした食感、豊かな香りを特徴とします。これらが評価されて、沖縄県と北海道を除く都道府県で作られています。主要な産地として、新潟県・茨城県・栃木県が挙げられます。公益社団法人米穀安定供給確保支援機構の発表によると、令和2年度における作付割合は33.7%です(以下の作付割合も公益社団法人米穀安定供給確保支援機構の発表を参考)。昭和54年以降、最も作付が多い品種となっています。高い人気を維持し続けている品種といえるでしょう。

ひとめぼれ

ひとめぼれは、1991年に宮城県でコシヒカリと初星から誕生した品種です。出会った瞬間に一目惚れするほど色・つやが美しいため命名されました。特徴は、甘み・香り・粘りが強いことです。食感はモチモチというよりもシッカリしています。とはいえ、それほど固くはありません。固さは平均的といえるでしょう。令和2年度における作付割合は9.1%です。この割合は、コシヒカリに次ぐ2番目にあたります。主要な産地は、宮城県・岩手県・福島県です。冷害に非常に強いため、東北地方で多く作られています。

ヒノヒカリ

ヒノヒカリは、1989年に宮崎県でコシヒカリと黄金晴から誕生した品種です。九州(西日本)を表す日とお米が輝く姿から名付けられました。特徴は、あっさりとした味わいで歯ごたえを感じられる程度にもっちりとしていることです。お米の粒がやや小さいことも特徴といえるでしょう。令和2年における作付割合は、ひとめぼれに次ぐ8.3%です。主要な産地は、熊本県・大分県・鹿児島県となっています。

あきたこまち

あきたこまちは、1984年に福井県でコシヒカリと奥羽292号から誕生した品種です。秋田県出身といわれる小野小町にちなみ末永く愛される品種になるよう命名されました。コシヒカリの良さを受け継いだ品種の開発を目指し作られましたが、特徴はコシヒカリとやや異なります。旨味は十分に感じられるものの甘みはあっさりとしており、食感はモチモチというよりもシッカリしています。食べごたえを感じられる品種といえるでしょう。作付面積は6.8%、主要な産地は、秋田県・茨城県・岩手県です。

ななつぼし

ななつぼしは、1993年に北海道で誕生した品種です。北海道で美しく輝く北斗七星のように、キラキラと輝くきれいな星をイメージして名付けられました。特徴は程よい甘みと程よい粘りで味と触感のバランスが非常に良いことです。冷めても美味しい点、無洗米に適している点もななつぼしの特徴として挙げられます。これらの特徴が評価されて、北海道を中心に生産量・消費量を伸ばしています。作付割合は3.4%で、うるち米の中で5番目です。

はえぬき

はえぬきは、1992年に山形県であきたこまちと庄内29号から誕生した品種です。米どころ山形で誕生した品種(生え抜き)が大きく成長することを願い名付けられました。甘みはあっさりとしていますが、食感はコシヒカリのようにモチモチしています。冷めても美味しいため、お弁当などに適している品種といわれることが少なくありません。はえぬきの作付割合は2.8%、主要産地は山形県です。山形県を代表する品種といえるでしょう。

まっしぐら

まっしぐらは、平成18年に青森県で奥羽341号と山形40号から誕生した品種です。食味と品質をまっしぐらに追求していくことから名付けられました。特徴は、あっさりとした甘みで食感がシッカリとしていることです。ツヤツヤとしていて外観が良い点も特徴として挙げられます。以上の特徴から、外食産業を中心に販路を拡大しています。まっしぐらの作付面積は2.5%、主要産地は青森県です。

きぬひかり

キヌヒカリは、和歌山県で北陸96号と収2800・北陸100号の子から誕生した品種です。炊きあがったお米が絹のように白くつややかなため名付けられました。爽やかな甘味とシッカリとした食感が特徴です。口に入れるとパラパラと解けるように広がります。したがって、すし飯と非常に相性の良い品種といえます。作付面積は1.9%、主要産地は滋賀県・兵庫県・京都府です。近畿地方で人気が高い品種といえます。

ゆめぴりか

品種改良を繰り返し、北海道で北海287号と上育427号から誕生した品種です。このような背景があるため、北海道米の集大成といわれることもあります。日本一美味しいお米を作るという北海道民の「夢」とアイヌ語で美しいを意味する「ピリカ」を組み合わせて名付けられました。特徴は、旨味と甘味が豊かなことと粘り気が強くモチモチしていることです。ご飯そのものの美味しさを楽しめる品種といえます。作付面積は1.6%、主要産地は北海道です。全道統一の規格を定め、基準を満たすものに認定マークを表示するなど、厳格なブランド管理が行われています。

きぬむすめ

きぬむすめは、キヌヒカリと祭り晴をかけ合わせて2006年に誕生した品種です。キヌヒカリの後継品種になることを願い名付けられました。特徴は、程よい甘味と旨味、モチモチとした食感を兼ね備えることです。栽培地域によっては、コシヒカリよりも美味しいと評価されることもあります。今後の普及が期待される品種といえるでしょう。作付面積はゆめぴりかと同じ1.6%、主要産地は島根県・岡山県・鳥取県です。

つや姫

つや姫は、山形県で10年の開発期間をかけて誕生した品種です。コシヒカリやササニシキのルーツにあたる亀ノ尾のDNAを受け継いでいます。炊きあがったときのツヤが素晴らしいことから「つや」、10年間大切に育てられたことから「姫」と名付けられました。特徴は甘みと旨味が強いことです。粒が揃っている点、粒がシッカリとしている点も見逃せません。作付面積は1.2%、主要産地は山形県・宮城県・島根県です。米どころ山形が誇る品種といえるでしょう。

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